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7話
「とりあえず、颯介さんに…いや、もう一ヶ所行きながらでいいか。お兄ちゃん、お願いね」
むつは冬四郎の肩に管狐の乗せると、さっさとコートを羽織って祐斗に持たせていた鞄を持った。
「あ、あぁ…湯野さんの子より、大人しくていい子っぽいな」
噛まれた事を言っているのか、冬四郎は管狐を頭をそっと撫でていた。管狐も冬四郎を怖がるような事もなく、大人しく撫でられている。
「…向こうでも、映像貰ってきて事務所で見た方がいいかもな。何か映ってたとしたら、怖がらせるだけだしな」
「管理会社の人、怖がってたの?」
「あぁ。だから話が長引いたんだ…」
映像見ながら余計な事を言うんじゃなかったと、山上が漏らすとむつも少し悪い事をしたなと思っていた。