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7話
こんな所に逃げ込んで隠れているなら、ネズミかイタチかのいわゆる害獣というやつだろう。そんなの確認したくないと思い、少し鉢をずらした。すると、影からさっと何かが出てきた。動きが素早くて、目で追えはしなかった。
「っ‼ぎゃあぁ‼」
後ろの方から、変な悲鳴が聞こえてきて祐斗が振り向くと、むつが手をばたばたと振り回していた。
「むつさん!?」
「やーっ‼のぼってきたんだもん‼」
鞄を投げ捨てコートを脱ぎ捨てて、むつは自分の身体をばしばしと叩いている。泣きそうな必死の顔をしたむつは、ばたばたと駆け寄ってくると身体についてないかと、祐斗に確認をさせようと慌ただしく、くるくると回っている。足踏みをしながら回る姿は滑稽でしかない。
「…大丈夫ですよ?何も居ません…あ?」
「何何何!?どこ!?どこ!?ついてる!?払って‼」