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7話
冬四郎と、管理会社の男との間で話がついたのか、冬四郎はむつと祐斗を呼んだ。手招きされるままについていき、管理人室に入った。普段はおそらく居ないのだろう。がらんとしていて、誰かが居たような様子はなかった。
男がモニターを見やすいように動かしてくれて、冬四郎はむつと山上を椅子に座らせた。操作の仕方を教えてもらい、むつはマウスをクリックして、早送りをしながら見ていく。かけてきた伊達眼鏡は、すでに邪魔になっているのか、シャツの襟元にひっかけてあった。
「お、むつ…」
「うん…ちゃんと2人で帰宅してるわね。えーっと…21時だわ。夕飯食べてコンビニ寄ってから帰宅って所かしら?」
「だな。湯野ちゃんがビニール袋持ってるし」
「うん」
昨日一緒に帰宅していった颯介と凪が映った所で、むつは一時停止を押して本当に2人なのかを、しっかりと確認した。