383/1090
7話
「で、やっぱり凪君追う感じですか?」
「人命優先…って思ってるけど。向こうはさ、情報網が警察の上をいくんじゃないかな…凪君がこっちに向かってる時から知ってたみたいだから。こっちに来てから、颯介さんの弟って分かったらしいけど」
「警察の中に居そうだもんな、協力者」
「それ…それに、あの時の雪女たちもさゆきって子を追ってる。尚更、凪君が危ないんじゃないかなって思う」
「湯野ちゃんに話しておくか…」
「それがいいかも。颯介さんが凪君を見付けて保護したとしても…狙われる可能性があるし」
「それにしても…何だってあいつはカメラに映ってたんだ?あ‼しまった…あいつが映った時間確認しとくんだった…」
「時間が分かったら、何か分かるの?」
「もし、弟を追って行ったんなら時間は重要じゃねぇか?その時刻にカメラでは確認出来てなくても、通ってるかもしれねぇし」
「…だから、わざと分かりやすく映った?」
「ますます怪しいな」
「敵なのか味方なのかはっきりして欲しい」
「…敵だろ?」
敵対したくないのに、とむつは呟いて冷たくなったコーヒーをすすった。