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7話
「むつさん、ちかさんたちが本当に凪君まで狙ってるとしたら…湯野さんも危ないですよね?湯野さんにこの話は…」
「颯介さんにも話した方がいいかな…そこは社長の判断に任せるつもりだけど」
タバコを吸っていた山上は、煙を吐き出しながら、どうしようかと悩んでいるようだった。颯介に話しておけば、警戒する事は出来る。何の構えもないよりは、いいかもしれない。だが、弟が殺されそうだというのは、なかなか言える話でもない。ましてや、凪が探している雪女のせいでとなると。
「…凪君が雪女の事を諦めたら、身の安全が保証されるってわけでもないのよね。今回の事って、きっと」
「関わりすぎてるから、ですか?」
「うん…幼馴染みって言ってたでしょ?それに、凪君は雪女…さゆきだっけ?幼馴染み以上に想ってるんだと思うな」
「…好きって事、ですか?」
「うん…たぶん…でも、どうかな?家族みたいな感じの大切さなのかもしれないけど。あたしは、凪君が話してたの聞いて、きっと恋してるなって思った」
「人と妖の…ですか?でも、それって成り立つ物なんでしょうか?」