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7話
「だから、湯野さんの弟を探してるのか…殺人予告か…こっちが動けない事はないけど、どうする?」
「警察には頼らなくていいかなって思ってる。だって…きっとうちより弱いでしょ?でも協力はして欲しい。人命がかかってるから」
うちというのがよろず屋の事だと分かっている冬四郎は、むつ、祐斗、山上の顔をゆっくり見ていった。そして、やや困ったような顔をした。
「協力はする。湯野さんの弟さんの事だしな…よろず屋よりは情報網的には強いからな」
「うん、よろしくお願いします」
むつは神妙な顔でぺこりと頭を下げると、冬四郎は笑みを浮かべて山上の方を見た。山上も頼むな、と言っていた。
「ってなわけでさ…」
ぱっと顔を上げたむつは、すでに無表情と言ってもいいほど固い表情を浮かべていた。本当にすぐに表情が変わるよな、と山上は思っていた。