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7話
山上が見付けた喫茶店に入り、席に座って落ち着くとむつと祐斗は、もう立ち上がりたくないとでも言うような顔をしていた。
「…ほら、2人共甘い物もあるぞ?山上さんの奢りだから、気にしないで頼みなさい」
メニュー表を開いて見せた冬四郎は、にこやかな笑みを浮かべてスイーツの乗っている箇所を指差した。
「何で俺なんだよ…つーか、思ってたけど、みやは祐斗を可愛がるよな?」
「いや、何か…弟みたいで…」
「あーお兄ちゃんは弟欲しかったわけ?男兄弟の末っ子だし?妹で残念なわけね?」
「そうじゃない。そんな言い方するなよ…妹も弟も居る気分で楽しいんだ。おっさんの楽しみ奪うな」
「…若い子にあれこれしたくなる年頃か」
そう呟いた山上は、タバコをくわえてさっそく吸い始めていた。