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1話
「あぁ、鍋か。寒いからいいかもな。でもな祐斗君、俺はまだむつの意思でお呼ばれして泊まった事はないんだ。だから、祐斗君が先を越すのはダメだ。泊まりは却下。ですよね?宮前さん」
「…いや…谷代君と湯野さんが泊まるのはいいけど、西原君はダメだ」
「…俺でさて許可されないんだから、祐斗君もやっぱりダメだ。俺が許可しない」
「宮前さんはいいって言ってくれましたよ?」
「ダメだ、ダメだ‼」
祐斗と西原がじゃれ合うようにいつもの言い合いを始めると、むつは溜め息を漏らした。ちらっと冬四郎を見て、向こうにと視線を送ると、むつはマグカップを片手に立ち上がった。
2人のじゃれ合いを横目に、冬四郎もマグカップを持って立ち上がると、むつに続いて狭いキッチンに入った。むつは換気扇のスイッチを入れると、タバコを口にくわえた。




