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6話
「だよな。むつは黙ってたらいいぞ」
「…そしたらモテる?」
「かもしれないな。ぱっと見はな」
「でも、むつさんが黙って大人しくしてると…」
「つまんねぇよな」
かるからと笑う山上は、ついでにと2人のマグカップを持ってキッチンに入っていった。
「むつさん、モテたいんですか?」
「ううん、別にいいかな。沢山の人に好かれるもの嬉しいけど、1人の人に大切に思われたい…かな?」
その1人の人というのは誰の事をさしているのか、祐斗には分からなかった。思い付いたのは、2人も居たからだった。
「世界中が敵になってもってか?むつは意外と乙女な事を言うよな。んで、その1人つーのは誰だ?」
1番気にもなったが、1番聞けない事を山上が聞くと、祐斗はむつをじっと見た。