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6話
話が一段落したのか、むつは並んでいる料理で、もくもくと米を食べている。酒はそんなに進まなくても、食欲はありそうな様子だった。
「…むつさん、お腹空いてたんですか?お米なんて、最近にしては珍しいですね」
「何か今日はお酒よりご飯かも…でも、半分でよかった。食べれると思ったんだけどね」
「食べきれなくても祐斗が居るだろ?」
「限界だったら貰いますから…」
「うん。祐斗はさ、段々と本当に色々な面で頼れるようになってきてるわよね。成長してるんだなって思う」
「…どうしたんだ、むつ?」
「ん?うーん…ここの唐揚げ、結構美味しいよね。ご飯と合うもん」
「…ちょっと酔ってるのかもしれませんね」
「ぽいな…へらへらしてきてるし」
本当に今日は酒は、あまり呑めない日だったようで、茶碗を片手にむつは楽しそうな笑みを浮かべていた。