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6話
「それもそうだな。むつの事は呑む時の話のネタにするとして…むつは何か気付いた事あるんじゃねぇのか?」
「んー?」
むつは唐揚げを口にしながら、何やら追加で注文をしている。やけに食欲があるのかと、山上は少し首を傾げた。
「気付いた事ねぇ…ちかは、知ってたんだなって思った。あたしらが関わるなら、なんて言ってたけどさ…関わる事になるの分かってたんだろうなって」
「…厄介な事になるって言ってたからか?」
「うん。人と妖が一緒になって問題起こしてても、そんなのって依頼として来なさそうじゃない?それを見てた人とかが、よろず屋を知ってない限り…ニュアンス的には関わる事になるって決め付けてたっぽい節もあったし。きっと、雪女と居た人間が、颯介さんの弟なのも知ってたんじゃないかしら?」
「可能性はあるな…」
「だから…余計にあたしの前に現れたのかなって思ったりもしてる」