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5話
「まぁいい…むつ、湯野ちゃん頼むな」
祐斗が適当に頼んだフードメニューが並んでいくと、山上は呟くように言った。烏龍茶からレモンチューハイに変えたむつは、それに口をつけようとしていたがテーブルに置いた。
「うん。なるべく目離さないようにはするつもりだけど…颯介さんも意外と単独行動派よね」
「むつさんが1番、言えない事ですよ?それ。それに俺からしたら全員そうですよ?皆、単独行動派」
「…ごめんってば。事後報告嫌なんだね?」
「嫌っすよ。仲間はずれにして…そもそも、むつさんは西原さんとどうなるんすか?」
「…1番気になってるの、それ?」
「です‼だって、何か急接近じゃないですか。俺見てたんすからね‼朝の事…キッチンで…」
レモンチューハイを口にしていたむつは、朝の事と言われてむせた。チューハイが鼻から出そうだったのか、おしぼりをあてて、眉間にはくっきりとシワを寄せている。