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1話
「こんな天気だしさ、依頼もないから。暇すぎて…祐斗とストレッチして筋トレしてたの。明日は筋肉痛かもしれない」
そうは言いつつも、むつはどこか嬉しそうな楽しそうな顔をしている。何とも言えないという顔をしている冬四郎は、西原の方を見た。西原は肩をすくめて見せた。2人の考えが見事に外れ、拍子抜けしたが、何もなくて良かったと西原は呟くと、むつの側に行き膝をついた。そして、暑いと言っているむつの首に手のひらを押し当てた。
「あー…冷たくて気持ちいいかも」
「お前は珍しく体温上がってるな。俺は手が暖まって、有り難いぞ」
「お外ちょー寒いもんね」
「あぁ、ちょー寒いのに呼び出しやがって。理由はなんだ、理由は?宮前さんは何かに巻き込まれたんじゃないかって心配してたんだぞ?」
西原の手を保冷剤か何かだとでも思っているむつは、西原の手を持って首を冷やしていた。だが、冬四郎が心配していたと聞くと、冬四郎の方を見た。




