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4話
する事もなく、部屋の中は暖かくて快適。むつは眠くなってきたのか、うとうととしていた。だが、颯介だけはどこなく落ち着きないようだった。
「…むっちゃん?」
「はぁい?」
「眠くなってるのかい?」
「ちょっと…でも寝ないよ。昨日の今日だもん、何かあるといけないからね」
くはっと欠伸をしたむつは、ストレッチをし始めた。少し身体を動かすと、眠気も飛んだのか、むつは颯介と山上の間に座ってタバコを吸い出した。
「昨日…何があったんだい?俺は…」
「社長に殴られた前の事は?」
「覚えてるよ。体調悪くなって、むっちゃんと社長が送ってくれて…でも、そこから社長に殴られるまでの間は覚えてないし、その後は部屋でむっちゃんが声をかけてくれて…起きたら、むっちゃんと西原さんが居て…」
「結構、飛び飛びなんだね。まぁ寝ちゃってたもんね…ねぇ社長?」
半分はお前のせいだと言いたげなむつの視線を、鬱陶しいと手で払った山上もタバコに手を伸ばした。