4話
「…管狐…もしかして、夜中に人形を追いかけ回したの?それで逃げて隠れたのかしら?」
「…かもしれないな。管狐が何だか、きらっきらした目してるぞ」
「もう…管狐は元気なのに。颯介さんったら…全然起きてこないし…生きてるのかしら?」
人形を西原に渡したむつは、心配そうに寝室の方を見た。すると、会話が聞こえていたのか、寝室の方から物音がしてそっとドアが開いた。
「起きてたみたいだな」
「…みたいね。颯介さん、おはよう」
「おはようございます。お加減の方はいかがですか?」
颯介はむつと西原を見ると、苦笑いを浮かべた。そして、まだ寝ている祐斗を踏まないようにして、ダイニングテーブルまでやってきた。
「おはようございます…むっちゃんも、おはよう…だいぶ、迷惑かけたゃったみたいで…ごめんね」
「ううん…よく寝れた?」
「お陰さまで…途中で起きた時は、どこなのかと焦ったけど…皆の声がしてたし…むっちゃんが、おやすみって声をかけてくれたから。むっちゃんの部屋なんだなって…」
「うん。色々あって…昨日の事覚えてる?」
「あぁ…社長の拳を喰らった所までは」
「なら、おっけーだね。取り組み座ってよ、お茶いれるからさ」