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4話
「結局、起きたのか…」
「あ、うん…ごめん、起こしちゃったよね」
「いや…早起きの方が、邪魔なの居ないから」
欠伸をして、うーんと伸びをした西原はむつの隣にやってきた。背中を叩いてやると、すぐに寝たと思ったのに意外とそうでもなかったのかもしれない。
「コーヒーにする?お茶にする?」
「お茶…貰おうかな。朝のお茶は…って」
「厄払いってやつね」
吸いかけのタバコを西原に持たせたむつは、急須に茶葉を入れた。そして、沸騰したお湯を湯飲みに入れた。湯飲みが暖まると、そのお湯を急須に入れた。だんだんと、緑茶の香りがしてくるとむつは急須を揺すらないように、湯飲みに注いだ。