表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋 -ゆきのこいじ-  作者: 幹藤 あさ
183/1090

4話

「気長に待ってくれるか?うちの娘はなにぶん、口下手なもんでな。にしてもなぁ…珍しく雪が積もって、むつも珍しく変な事を言い出して」


「変な事、ですか?」


「あぁ…俺は聞きたくなかった。むつの趣味の悪さが…あー…恥ずかしかったしな」


「…何を聞いたんですか?」


「…それは言えねぇ。本人に聞け。やだやだ…俺は嫌だ、認めたくねぇなぁ。晃が聞いたら、怒り狂って泣きわめくな」


どんな話を聞いたんだと、ますます気になった。だが、山上が言わないと言うのであれば、山上の口から聞ける事はないだろう。


「寝るぞ、お前は明日仕事だろ?寝ろ」


「そうします…おやすみなさい」


「ん、おやすみ」


布団をかぶった山上は、こちらに背中を向けた。もう見張らないのかと分かった西原は、布団に潜り込むとむつの方に身を寄せた。


「…なぁに?」


「あ、悪い…起こしたか?」


「んー…」


もにょもにょと何か言いながら、むつは布団を引き上げて頭まですっぽり隠した。そして、西原の胸元に顔を押し付けるようにして、再び寝息を立て始めた。西原はむつの頭の下に腕を通して、しっかりと抱き寄せてから目を閉じた。だが、嬉しくてなかなか寝付けなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ