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4話
「それにしても、湯野さん起きないなんて…山上さん、何したんですか?」
ちらっと携帯で時間を確認し、流石にまだ起きない事を心配したのか西原は、そっと寝室のドアを開けた。細く開けたドアから、中を見ると静かにドアを閉めた。
「何したって…」
「どうやって気絶させたか、ですよ」
「ちっとばかし、こう…」
実際にやって見せるつもりか、山上は西原の首に手を伸ばした。そして、空いている手で、腹を殴るような仕草をした。
「…しばらく起きれないでしょうね」
自分が殴られた訳でもないというのに、西原は痛そうに腹をさすっていた。山上が手を出す所を見た事のない祐斗は、どうしても想像も出来ないようだった。