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4話
「…あれ?管狐?」
「え?」
振り向いて、山上と西原を見たむつは、いつの間にか管狐が西原の隣に居る事に気付いた。
「颯介さん、起きたのかしら?」
身体を起こしたむつは、そっと寝室のドアを開けたが、すぐに静かに閉めた。そして、ゆるゆると横に顔を振った。どうやら、颯介は起きていないようだ。
「管狐、どうしたの?」
管狐を抱き上げ、西原を追いやるようにして山上と方につめさせると、むつはソファーに座った。
「お腹空いちゃった?何か食べる?」
むつが聞くと、管狐は首を傾げた。言葉が分かっているはずの管狐が、そんな反応を見せるのは珍しい。それに食いしん坊の管狐は、食べるかと聞かれたら食べるを選択する。