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4話
「あ、うまっ‼っつ!!からっ‼」
山上はごくごくとビールを呑んだ。祐斗にも辛かったのか、口を開けて手で風を送っている。
「辛いんですよ、むつが作ると。市販のルー使ってるはずなんですけど。だよな?」
「うん、市販のルーだよ」
むつはそんな2人の為に、氷水を作ってきてテーブルに置いた。祐斗はすぐに氷水を飲んで、氷も口に入れて転がしている。
「今日のは、蓮根だけか?」
「そうだよ。だいたい、蓮根か大根。夏は茄子なオクラかな。やっぱ、カレーに具がいっぱいで、ごろごろしてなきゃやだ」
「人参すっげぇ小さいぞ」
「…あんまり好きくないから」
「それより、むつ…辛いぞ。隠し味に何入れたんだ?最初は甘い感じなのに、後からすげぇくる」
「えーっとねぇ、リンゴとバナナでしょ?後、蜂蜜、チョコとコーヒーとケチャップと一味」
「一味の量がおかしいんだな…」
「そう?先輩平気だよね?」
「俺は辛い物好きだからな。むつも辛い物好きだろ?」
「うんっ‼大好きっ」