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4話
3人の何となく気が気ではない様子など知りもしないむつは、火を止めてカレールーを溶かすと、すりおろした林檎やら何やらと入れていく。大振りの具材がごろごろした中に、色々投入していく様は、何となく魔女が薬液でも作っているようでもあった。
中火で少し煮て、味見をしたむつは満足そうに頷いた。そして、皿にご飯をよそってたっぷりとルーを流した。
「祐斗、運んでくれるー?」
「あ、はい…ついに出来たみたいっすよ」
不安げな祐斗だったが、持った皿に変な物は見受けられず、ほっとしていた。だが、馬鈴薯、人参以外の何かは入っていた。人数分のサラダとスプーンも並べ、むつは麦茶を入れてきてからようやく座った。
「あれ?どうしたの?」
「いえ…頂きます」
空腹だといっていた祐斗もだが、山上と西原もスプーンを持っていない。むつが首を傾げると、3人は慌てたように食べ始めた。