4話
むつと山上が、ちびちびとビールを呑んでいると、さっぱりしたという顔の祐斗と西原が風呂から戻ってきた。
「…なぁ、むつ?宮前さんの服、こんなにあるのか?俺のも置いといていいか?」
「あ、この前泊まったりしたからね。急に泊まるかもって用にもあるし…社長のはサラだよ。あたしが、どのお兄ちゃんお父さんが来ても良いように買っといたのだから。後、先輩のは置かなくていい。クローゼットいっぱいになる」
「…着替え、持ち歩くしかないな」
西原はそう言うと、むつのビールをごくごくと呑んだ。しっかり暖まったのか、額にはうっすらと汗が浮かんでいた。
「むつさんも社長ものんびりしてますけど…大丈夫なんですか?今夜は…」
「何もねぇよ。安心して身体休めろ」
「そうですか…?」
「うん、大丈夫だよ。祐斗も呑む?ってか、ご飯にしよっか?お昼遅かったけど少し何か入れないとね。颯介さん…起きないけど、雑炊出来るようにしよっかな」
「あ、それなら手伝います」
「いいよ、大丈夫だから。ゆっくりして…何かする事が出来たら、お願いするね」
そう言うと、むつはキッチンに入っていった。何もしないのは悪い気がしたが、祐斗は大人しく座っておく事にした。