4話
むつの言葉に甘え山上の後に続いて、お泊まり気分なのか祐斗と西原は一緒に風呂に向かっていった。いくら仲が良いとは言えど、さほど広くもない風呂に大の大人。それも男が2人で入るのかと、むつと山上は呆れ気味だった。
「洗濯してあげたいけど、うちは乾燥機ないから…ごめんね。明日も同じ服になっちゃうけど」
「あ?いや、そんな事は気にしないから…それより、むつ。西原と何を話してたんだ?」
コーヒーをいれ直したむつは、山上の前に置いて、ついでに吸い殻も捨てて灰皿を綺麗にした。
「…聞こえてた?」
「付き合う付き合わないの話じゃないのか?嫌いになるまで一緒に居て…ってお前が言うなんてな。俺が恥ずかしくなったぞ」
「たっ…立ち聞きなんてするからでしょ?」
「まぁな。でも気になるんだから、仕方ねぇだろ?お前は気が多いからなぁ。そろそろ1人に絞ったのかと思ってな。みやは諦めたか?」
「うーん…好きだよ、今でも誰よりも好き」
「…西原には聞かせられねぇな」
「…でもさ、あたしは…この前の事で、宮前の家の子供で居ようって決めたの。それも親孝行かなって…そしたらさ…」
「諦めるしかねぇって事か」
「うん…」