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3話
逆に聞かれたむつは、きょとんっとした顔をした。少し身を屈めている西原の顔は、困ったような笑みを浮かべている。
「付き合い方変えるのも、嫌いになる事も出来ないと思うぞ?普通じゃないからってさ。その上で、言ってるよな?だったら、これ以上…」
「………?」
「今よりも好きになってくれって事か?」
「ばっ…ばっか‼」
「何だよ、照れんなよ」
「嫌いになるまで一緒に居て…」
「…告白か?」
「…寒いから人肌恋しいのかしら」
「あー…それでもいいや。一緒に居るよ。今夜は、邪魔なのがいっぱい居るけど」
「残念?」
「だいぶな」
にっこりと笑った西原は、ゆっくりむつに顔を近付けた。むつも嫌がる事なく、目を閉じて待っている。
「………」
「………?」
「山上さんっ‼いつから居たんですか‼」