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3話
西原が出ていかないと分かったむつは、隙間から腕を伸ばしてバスタオルを取ると身体を拭いてから巻き付けた。からからとドアを開けて、しゃがんだむつは西原を顔を見た。
「…何だよ、見るな」
「なぁによ、減るもんじゃあるまいに」
「減らない…けど、恥ずかしい」
「はぁ!?」
「服着ろ、服を!!」
「さっきは何を今更って言ったくせに‼」
すっくと立ち上がったむつは、腰に手をあてて西原を見下ろした。その堂々とした姿に、西原はぎょっとしたのか顔を反らした。
「ばっか‼慎め‼女の子なんだから‼」
「もう!!何がしたいのよ‼」
「だっ‼おまっ…お前なぁ…」
西原も立ち上がると、むつは少し困ったように視線を反らした。落ち着きなく、きょろきょろとしている。