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3話
「まぁまぁ…何かあった時に人数は居た方がいいしな。むつと祐斗じゃ湯野ちゃんには勝てないしな」
「………」
山上がそう言うと、むつと祐斗は顔を見合わせた。揃って寝室の方を見てから、山上と西原を見た。
「…颯介さんが最強だと思ってたけど」
「やぱ社長っすかね?」
「うちの隠し玉だし?」
「下から祐斗、むつ、西原、湯野ちゃん、俺だな」
からからと山上が笑いながら言うと、むつは少しふて腐れたような顔をして、祐斗はあからさまにがっかりしていた。
「そんな話はいい…とりあえず少し休むか。湯野ちゃん起きないし、むつも身体休めろ」
「ん、お風呂入ってくるよ」
「一緒に入ってやろうか?」
にやにやと西原が笑うと、むつは少し悩むような素振りを見せた。
「そうしよっかな…」
「ぜったいにダメです‼」
「祐斗の許可下りなかったね」
ふふっと笑いながら、むつは寝室に入っていくと着替えとタオルを持ってきた。そして、風呂場へと向かっていった。