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3話
「颯介さんの様子が気になったから、1人に出来ないって言ってたのね。分かった」
むつは頷くと、ちらっと寝室の方を見た。颯介はまだ起きていないのか、部屋の中からは物音さえしない。
「よし、分かった…じゃあ颯介さんはしばらく家で預かる。それでいい?」
「えっ!!むつさんの部屋に…?」
「うん、ダメかしら?」
「ダメってわけじゃ…でも、社長…」
「湯野ちゃん、気が付いたら帰るって言いそうだな。ま、今夜だけ…泊める事にして、その後の事はまた考えればいいだろ。俺も泊まっていいか?湯野ちゃんの様子は…気になるからな」
「なら、俺も!!」
「じゃあ俺も泊まってこっと」
「先輩関係ないじゃん‼」
「何で西原さんまで‼」
むつと祐斗が西原さんまで部外者だと言うと、西原は笑いながら肩をすくめてみせただけだった。