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3話
「厄介な事になるって…」
「あいつら動いてるのか?」
「自分じゃないかもしれないけど、誰かしら動くだろうって」
「…後から出てきたのは、人か?」
「ちかは、人だって断言したから…」
「そうか。後は何か言ってたか?」
「ううん…後々分かるだろうって…社長?」
山上の質問に答えているうちに、何かしらむつは気付いた事でもあったのか、不安げな顔つきとなっていった。
「何か分かったか?」
「うん。何で厄介な事になるのか…人が妖と関わってる。それであんな風に…あたしだったから、いいかもしれないけど。一般の人を襲ったりってなると」
「だから、厄介な事になるって言ったんだな。あいつらは確実に動くぞ…」
「…うん」
優しい音色で助けてくれたその手で、今度は妖を殺めるような事をするのか。そう思うと、むつは悲しくなっていた。