3話
「今回の事で…ちかは動くの?」
「俺は…分からない。けど、俺たちの中の誰かしらが動く事になるだろうな」
「…敵対するわけね」
「お前が動く事になるなら…そうかもな。何だ?それが嫌で気にしてるのか?」
「うーん…嫌。折角会えたのにさ。敵対する事になるなんてさ…」
「…だから、前にも言ったろ?俺の所に来いって」
「養ってくれる?」
「お前1人くらいなら養える」
「大丈夫ですよ、最近ちかげ様はコンビニでアルバイト始めましたから」
「…えぇっ‼うっそ‼うそだぁっ‼」
余計な事を言うな、とちかげはネロの頭をぺちんと叩いたが、ネロは全く気にしていない。
「し…仕方ないだろ‼完全に歩合なんだ‼命令で仕事が無ければ…」
「え?そうなの…?そうなの!?何それ…生活くらい、あれかと…そっちの会社?で見てくれてるのかと…」
「今のご時世、そんなに優しい所があるわけないじゃないですか。むつ様、意外と世間知らずですか?」
「え…じゃなくって…あ、そう…へぇ…」
特殊な組織の中に居るのだから、生活面での保証くらいあるのだと思い込んでいたむつは、ちかげがコンビニの店員をしていると聞き、驚きを隠せなかった。