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3話
「追いますか?」
「いや、いい…俺は様子を見るように言われただけだ。追って行けとも始末しろとも言われてない」
「今回はやけに慎重ですね…」
「あぁ…厄介な事になりそうだからな」
ネロとちかげの会話を聞きながら、むつはふぅんと首を傾げた。むつが居るというのに、仕事に関係した話をしていて、いいのだろうか。そんな風に思っているのが、顔に出ていたのか、ちかげは少し笑っていた。
「聞かれて困る事じゃない」
「そう?なら聞いてもいい?」
「何をだ?」
「あの2人は何?女の方は妖よね?でも後から出てきた方は?人?」
「そうだ」
「…どういう事?」
「今に分かる」