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よろず屋 -ゆきのこいじ-  作者: 幹藤 あさ
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1話

「…さん?颯介さんってば」


はっとしたように顔を上げた男は、息がかかる程の近くに女の顔がある事に驚き、ぱちぱちとまばたきを繰り返した。


「…むっちゃん?」


「はぁい?」


「ち、近いよ…」


むっちゃんと呼ばれた女は、少し首を傾げた。近いと言われても離れる気はないのか、アーモンド形をした目でじっくりと男の顔を見ている。呼吸をするのも躊躇われる程に近く、男は息をつまらせていた。


女は観察するのに満足でもしたのか、ふうと息をついて離れた。コーヒーの匂いの中に、タバコと甘い香りが含まれている。


「ぼーっとしてるなんて珍しい…体調悪い?」


離れた女は、今度は手を伸ばして男の額に手を当てた。自分の額にも手を当てて、うーんと首を傾げている。


「ない、かな?分かんないや」


「むつさんの手が冷たいからじゃないですか?俺と代わってくださいよ」


「え、何で?あんたこそ分かるの?」


「分かりますって‼」


ぎゃいぎゃいと言い合いする2人を横目に、男はくすくすと笑みを浮かべた。そして、そっと立ち上がるとどこかへ行ってしまった。

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