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2-39.ダンジョン攻略

( *´艸`)気まぐれトーカ!


ダンジョン――――――――――

またの名を『迷宮』とも呼ばれる場所のことを指す。

洞窟や特殊な地形などに魔素が溜まり、魔物が発生しやすくなった場所ことを言う。ダンジョンと化した洞窟や地形は濃密で膨大な魔素量により地形が変わり、いくつもの断層に分かれるのだ。比較的浅い断層のダンジョンは出来たばかりで新しいモノであり、断層が深くなればなるほど古く、危険なダンジョンなのだ。


また、ダンジョンには大きく分けて二種類ある。


一つは初めに言った通り自然に発生したダンジョンだ。

人間界では一般的にみられるダンジョンで自然にできた魔物を生み出すだけのダンジョン。しかし、長きにわたり放置されたダンジョンは稀に意思を持つことがある。意思とは自我であり、ダンジョン全体が巨大な魔物を化すのだ。


二つ目は人為的に作られたダンジョンだ。

このダンジョンに関してはまず人間界には存在しない代物だ。人工ダンジョンは、そのほとんどが魔界に存在している。魔界に住む魔族たちが人為的にダンジョンを作り出し、そこに住まうのだ。ダンジョンの中は常に濃密な魔素に溢れているため、魔素を主食とする魔族にとってはまさに楽園なのだ。


そして現在、アレク率いるパーティが潜っているダンジョンは人間界で最も古く、最も有名なダンジョンの一つ『鍛錬の扉』と呼ばれる伝説の勇者パーティが魔王討伐前に潜り、己を鍛えたと言われているダンジョンだ。現在は王立アスラエル学園によって管理されている。


◇◇◇


「初めてダンジョンに潜ったが、意外と明るいな… 壁に灯火(トーチ)が置かれているのもあるだろうけど、全体的に明るいな」


「魔素のたまり場だからなぁ… まったくの暗闇ってほどじゃないんだよ。魔素が圧縮されて魔素濃度が上がると地形やその空間に影響を及ぼすんだよ、それがダンジョンが明るい理由だと言われているな」


「へー… アレクはダンジョン経験あるのか?」


「あ… ま、まーな。 冒険者として活動してた時に何度か入ったことあるよ」


学園の許可を得てダンジョンに入る。頑丈に施錠されていた扉を開けて中に入ると、階段があり、その階段を降りると第一層に辿り着いた。


岩肌がむき出しの壁で覆われており、どうやら壁というよりは岩壁・岩盤のような感じだ。

どうやらこのダンジョンは洞窟が高濃度の魔素によって誕生したダンジョンのようで、元はただの洞穴か洞窟だったんだろう。


扉を入ってすぐの階段は真っ暗で、壁に設置されたともしびトーチの明かりを頼りに下ったが、第一層に辿り着くと岩壁が少しだけ発光しており、薄暗いという印象を受ける感じだった。


ダンジョン内は『迷宮』と呼ばれているだけあって階層全体が入り組んでおり、まるで天然の迷路のような構想になっている。


ダンジョンに入るパーティは学園から支給されるダンジョン地図を頼りに進むのだが、今回は魔眼持ちであり地図係(マッパー)でもある俺がいるので、地図は見ずに俺を先頭にダンジョンを進むことになった。


ちなみにマッパーとは地形把握能力を持つ人の通称であり、別名『地図要らず』とも言われている。千里眼を持っているアクアリアや地形完全把握の能力搭載の魔眼を持っているアレクがこれに当たる。


「とりあえず戦闘陣形(フォーメーション)ってほどでもないが、隊形だけは決めておくか… 俺が戦闘を歩くから二番目はランバート、次にロイス、アイリスと続いてきてくれ」


「イェッサー!アレク隊長!」

「分かりました!」

「わ、分かりましたっ‼」


ランバートとアイリスが元気よく返事を返して、ロイスが緊張気味に答える。


とりあえず前衛でも出来て道も解る俺が先頭に立っての先導。次に同じく前衛のできるランバート、そして(足手纏いの)ロイス、後方援護と前衛もできるアイリスが一番最後になってもらった。正直、俺がいれば順番なんて必要ないのだが、念には念を入れての隊形だ。


「お? 角を曲がったところに一匹魔物がいるぞ」


ダンジョンに入るとすぐに魔物の反応があった。まっすぐ進んで一つ目の角を曲がった先にどうやらいるようだ。魔力の反応から察するにスライムのような微弱な魔力を感じる。しかし、ただのスライムにしては少しばかり魔力が大きい。といっても、所詮は最弱の魔物スライム。怖くもない。


「お!初の遭遇(エンカウント)だな! どんな大物だ!? 俺が一番槍をかましてやるぜ!」


「ダンジョン初魔物ですね!」


「嬉しいような嬉しくないような… 複雑な感じです…」


ランバートとアイリスはやる気満々のようだが、ロイスはまだ緊張しているようだ。

まぁ魔物と遭遇したことはあっても、今から初討伐ってなったらそりゃ緊張するわな。


「とりあえず行ってみるか」


三人を連れて魔物の反応があった一つ目の角を曲がる。


曲がった先には紫色の半透明の肉体を持つスライムが三匹ほど居て、何か魔物の死骸のようなものに群がっている。


スライムは地球でいうアメーバのような99%以上水分で出来た魔物で、森や街中・下水道…そこら中にいる魔物で基本的に無害な魔物だ。しかし、中には何分数が多く、その生態も謎が多い魔物で、様々な種類が存在している魔物だ。


普通のスライムは水色の半透明だが、目の前のスライムは普通のスライムより若干魔力が高く、そしてなにより見た目が紫色に変色している。


「…スライムか、それもアシッド・スライム。 臭い・汚い・気持ち悪いの三拍子そろった害獣魔物(モンスター)だな… 俺は正直苦手だ…」


動物や魔物の腐った肉や骨を好んで食べるスライムの上位種だ。


ダンジョンではよく見られる種でダンジョンのお掃除屋さん的なスライムだ。

見た目は紫色で気持ち悪く、念滑油のようなネバネバした液体を分泌しているスライムだ。


そして俺が苦手な理由はコイツ独特の香りだ。


とにかくコイツは臭いのだ!

まるで生ごみを何年も放置して腐らせたような臭いをしている… 

まぁ死骸ばかり食べているのだから当たり前なのだが…


「スライムかよ… とりあえず放置でいいんじゃね? 殺しても大した素材は手に入らんだろうし…」


「んー… 普通なら放置するのがいいのだが…なぁロイス」


「ど、ど、どうかしま、しましました、か!?」


「緊張しすぎな… とりあえず、あのスライムと戦ってみるか? 最弱の魔物って言われてるくらい弱いし… 初の魔物狩りではちょうどいい相手だと思うんだけど…?」


「ぼ、ぼぼぼぼくがですかかかかか!? が、ががががんばって…みますっ!」


アレクの問いかけに緊張によって呂律の回っていないロイスが何とか答える。

緊張しすぎて生まれたての小鹿のようにガクガクしているが… まぁ大丈夫だろう。


ロイスがガクガクと震える足を引きづって俺の前に立つ。

その手には傷一つ付いていない新品の片手剣が握られていた。魔法の付与とかはされていないが、結構な業物のようだ。さすがは王都随一の大商会の御曹司ってところか。


「近づいて斬るのはやめた方がいいぞ。 アシッドスライムには腐敗吐息(アシッドブレス)っていう消化液を吐き出して攻撃してくるからな!一応微量だが毒も含まれている。 と、いってもピリってする程度の微弱な毒だが… とりあえず接近戦より前教えてもらってた魔力弾でここから打ち込んで倒す方が無難だと思うぞ」


「わ、分かりました…」


少し緊張が解けたのか、さっきよりは呂律が回っているロイスが返事をする。

まだ少し固いが、まぁもう心配はないだろう。


ロイスが剣を鞘に仕舞って両手を前に突き出す。一度大きく深呼吸をしてから魔力を練り始めた。ロイスには属性魔法の適性がなく、無属性しか使えない。しかし、無属性だからって魔法が無い訳じゃない。


ロイスが使おうとしているのは無属性初級魔法《魔力弾》だ。

ただの魔力の塊を打ち出すだけのシンプルな魔法だが、スライム程度なら十分効果を発揮できるだろう。


食事に夢中になっているアシッド・スライム目掛けてロイスが魔力弾を発射する。その数、実に七発。まだ魔法の精密射撃の出来ないロイスは数撃って確実に命中させる手を選んだようだった。


そのロイスの考えは的中した。七発中四発は見事にアシッド・スライムに命中し、三匹のスライムはその場でドロドロになって溶けて消えた。


「や、やったぁあああ! 初討伐だ! やった!やったぞぉおおお!!!」


「初討伐、おめでとう! これで立派な冒険者だな!」

「おめでとうロイスくん! 魔力制御もばっちりだったよ!」

「よくやったロイス! さすがは俺の弟子だぜ!」


子どものように無邪気に喜ぶロイスに称賛の声を送るアレクとアイリス、ランバートの三人。まぁ相手が最弱の魔物なので正直そこまで喜ぶのか、と思うが… ロイスにとっては初の魔物討伐なので、よっぽど嬉しかったんだろう。黙っておくことにして、とりあえず褒める。


スライムは最弱の魔物と呼ばれている異名通り、物理・魔力関係なく攻撃というモノに圧倒的に弱い。

子供が悪ふざけで殴ってたり、投げ飛ばしたりしても倒せるくらい弱いのだ。

見た目液体のような魔物なのに、物理攻撃が効くのか!?と、疑問が浮かぶはここは異世界、考えないようにしている。かなり虚弱体質のようだ。


ロイスの無邪気な喜びもそこまでにして、とりあえず奥へと進むことにした。

このダンジョンの一階層の主な魔物はスライムやキラーアント、スティッキースパイダーと冒険者ギルドの魔物ランクでいう所、F~Dランク相当の魔物しかいないようだ。まぁロイスには丁度いいくらいの強さなので、遭遇する魔物は全てロイスに倒してもらった。


始めは緊張でガチガチで、ビビりまくっていたロイスだったが、一匹、また一匹と討伐するうちに慣れてきたようで、なんとか一人でそれなりに戦えるようになったようだった。



「…これで四匹目っ‼」


振り下ろした片手剣がキラーアントの頭にグサッと突き刺さり、絶命する。

ロイスの周りには既に絶命したキラーアントが三匹おり、まだ生きている蟻が五匹ほど残っているが、ロイスはひるむことなく果敢に攻めに入る。


キラーアントは少しデカい蟻の魔物で大体一メートルほどの大きさを誇る蟻だ。

キラーアント討伐する際に気を付けなければいけないのは、顎だ。反しのついた巨大な顎で挟まれれば人間くらいなら軽く真っ二つ出来るであろう巨大な顎を持った蟻だが、何分動きがトロい。俺やランバートにしこたま回避動作を仕込まれたロイスなら問題なく躱せる。



「これで… ラストォ――――ッ‼」


ロイスが元気よく最後の一匹のキラーアントの頭に剣をぶっ刺す。

脳天を貫かれたキラーアントはギィイイイッと断末魔を上げて絶命する。全部で九匹居たキラーアントの群れはロイス一人で討伐したのだ。


「お疲れさん! だいぶ動きが良くなってきたな!」


「これも全部アレクさんやランバートさん、アイリスさんのご指導の賜物です!本当にありがとうございます!」


「いや、全部ロイスの努力の成果だろ? そう謙遜することはないさ!」


「そうですよ! ロイスさんが日々努力し続けてきたからこそです!」


「ロイスはもっと自信も持つべきだな!自分の実力(チカラ)にな!」


「本当に…ほんとうにぃっ! ありがとうございますっ‼」


何度も感謝を告げるロイス、その眼には薄っすら涙が浮かんでいた。嬉し涙を流すほど、本当に俺たちに感謝しているようだった。その光景を見てなんか照れ臭くなる。


「今日のダンジョン攻略はここまでにして、戻るか!」


アレクが照れくささを隠すように言う。


「そうですね。 正直今日のほとんどはロイスくんが頑張ったので、私たちは全然大丈夫ですけど、今日はここまでにしたほうがいいですね!」


「まぁ素材も結構集まったし… 切り上げるには最適な状態だな!」


「じゃ今日はこれでダンジョン攻略を終わるか!」


「グスッ… 本当にありがとうございました!ほんとうに…ありがとうございました… ほんとうに…グスッ」


「あぁロイスよぉ! いい加減に泣き止めよ!どんだけ泣いてんだよ!」


「…その泣き顔、ダンジョン出るまでには直しておけよ! 事務所の先生に「どうしたんですか?」って心配されるぞ? ついでに泣き虫もな」


「あ、それ思ったわ! 泣き虫は直さねぇと情けない男だと思われるぞ?」


「ぼ、僕は!泣き虫じゃないですっ! グスッ!ただ嬉しくて泣いてるんですっ!」


「……それを泣き虫だと言うと思うんだけど」


「い、言わないよ! 泣き虫はよく泣く奴のことで… ぼ、僕は泣き虫じゃないですっ!」


そんな会話を交えながら、俺たちは初のダンジョン攻略を終えたのであった。

更新頻度がただ下がりの一方だ…

とりあえず三日に一度は必ず投稿するように頑張ります。

G.W開けたのにバイトが忙しい… なぜだ…?

そう、バイトの掛け持ちをしているからだ!( ̄▽ ̄)

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