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2-38.入学一ヶ月

( *´艸`)気まぐれトォオオカァア‼


アレクはサザーンとの決闘戦の後、学園からはちょっとした有名人と化した。

圧倒的実力で相手の心をへし折るその様はまさに鬼だと有名になり、「戦えば心を折られるぞ!」と謎の不文律が生まれ、誰もアレクに決闘戦を挑む者が居なくなってしまった。


しかし、学園序列最下位のロイスと共に訓練しているところを何度も目撃されており、本当は優しく面倒見の良い人なのではないかと噂が流れると連日のようにアレクに指導をお願いする人が続出した。


しかしアレクは「俺が認めた人しか指導する気がない。指導してほしかったら俺に挑んで来い!」と突っぱねた結果、声を掛けてくる人は減ったが、Aクラスの腕自慢たちが数人挑んむ結果となったが…


「ま、参りました…」

「つ、強すぎる…っ‼」

「…化物かよっ‼ こんなの勝てる訳ねぇ‼」


全員残らず返り討ちにされていた。

ちなみにアレクとロイスが特訓している中にSクラスのアイリスやランバートの姿があり、「あの人たちに実力を認めてもらえれば!」と謎の期待を寄せて決闘戦を望む人たちも続出したが、アイリスもランバートもアレク同様に全員返り討ちにしていた。


入学して一か月も立つ頃には学園はほぼ毎日が決闘戦・模擬戦によって屋外屋内のすべての訓練場・闘技場が使用されていた。それは普段ロイスの特訓に使っていた野外訓練場グラウンドγーAグラウンドも例外ではなく、今日もいつもの特訓場所が使用されていた。


「…今日も訓練場使えそうにないな。 寮の訓練場はどうだ?」


「寮の訓練場も使われてましたよ」


アレクの質問にアイリスが答える。

その後ろでランバートとロイスがため息を吐いている。


サザーンとの決闘戦後、アレク・アイリス・ランバートの三名は決闘戦をしょっちゅう申し込まれており、ロイスの特訓に碌に付き合えずにいた。ここ最近は少し落ち着いてきたので、久しぶりに特訓を始めようと思って訓練場に来てみればこの様だった。


六コートある訓練場全てのコートで決闘戦・模擬戦が行われており、中には順番待ちの人達や戦っている人たちを見ている生徒たちによって埋め尽くされていた。


「どうすよーアレク? このままじゃ訓練場使えそうにないぞ?」


「あ、僕は別に無理にしなくても大丈夫ですよ… その皆さん忙しそうなので…!」


ランバートの問いかけにロイスが反応する。

ロイスは今でこそ普通にアレクたちと一緒に訓練に参加しているが、元をたどればロイスが三人の訓練中に「鍛えてください!」と押し掛けたことが始まりだった。アレクから言われたとはいえ、少なからず自分の為に時間を割いてくれている三人に申し訳がなかった。


ちなみにだが、ロイスはいまだに一度も決闘戦を申し込まれていない。

といっても、序列最下位のロイスに挑んでも意味がないからだ。例え勝利しようと結果には残るが、自分の序列に影響することはない。むしろ時間の無駄でしかないのだ。そのためロイスはいまだに決闘戦や模擬戦をしたことがなかった。


おろおろし始めたロイスの姿を見たアレクが「んーっ」と唸り、考え始めた。


「…そろそろ実践訓練にでもやるかな」


「実戦訓練、ですか?」


アレクのつぶやきにアイリスが反応する。


「うん… ロイスも最低限の技術は身に着いたころだろ? そろそろ実践の中で学ぶべきかなって思ってね。もちろん最大限の安全対策は取ろうと思ってるけど」


アレクとランバートにしこたま鍛えられた回避技術と防御技術にアイリスからの剣術指導。

ロイスと初めて会ったころよりかは幾分か成長しているはずだ。それにロイスは俺たちの訓練後も一人で剣を振ったり、自分で鍛えていたようなので、そろそろ実践経験を積ませてあげたいと思ったのだ。


「ロイスもそろそろ自分の実力がどこまで通じるか試してみたいだろ?」


「す、少し興味はあるけど… まだ少し怖いです。それと実戦訓練って何をするんですか?」


「この学園にダンジョンあるだろ? ずっと前に丁度俺たち四人でパーティ組んだし… ダンジョンに入る条件は十分クリアしているはずだから、ダンジョンで実際に魔物を戦ってみようって考えてる」


「だ、ダンジョン…ですか… ぼ、僕いけますかね…」


「大丈夫だぜロイス! アレクが言ってるんだし!おそらく大丈夫なんだろ! 俺もそろそろダンジョンに潜ろうかと思ってた頃だし! ロイスもパーティメンバーなんだから一緒に行くぞ!」


「が、頑張りますっ!」


ロイスが踏ん切り付かない感じだったが、ランバートが見事に踏ん切りを付かせた。

何事にもズカズカとしているランバートはこういう時頼りになる奴だとアレクは苦笑いする。アイリスも同じことを思ってたようでアレクと同じように苦笑いを浮かべていた。


「それじゃダンジョンに潜ることにしますか!」


「「「おおー!!」」」


アレクの宣言に乗る気になったロイス、ランバートにアイリスが元気よく返事を返す。四人はダンジョンの入り口がある第一校舎に向かい歩き始めた。こうして一年生パーティの中で初めてのダンジョン攻略に動き出すパーティが誕生した。





◇◇◇


第一校舎にあるある会議室で会議が始まろうとしていた。


会議に出席している生徒たちが椅子の前で立って待っている。妙な静けさ漂う会議室に一人の金髪の生徒が入ってくる。彼女はこの学園の生徒会を束ねる生徒会長であり、この国の第二王女でもあるセシリア=フォン=アスラエルご本人だった。



「それでは生徒会 定期会議を開催します」


生徒会長であるセシリアの声に、生徒会に所属する十一人の生徒たちが一斉に会議室の椅子に座る。ここは第一校舎に設けられた生徒会の為の専用会議室。


現在生徒会に所属している生徒は文官科・武官科合わせて二十四名だが、週に一度ある会議に出席するのは基本的に『武官科』の生徒だけだ。


この会議での主な話し合いは各学年ごとに行われている決闘戦や模擬戦・校内戦などの監視や結果報告などが議題に上がる為、文官科の生徒にはあまり関係ない話題なので、武官科の生徒会所属生徒のみで会議が行われる。


「ではアクアリアさんとトールさん、一年生からの報告をお聞かせください」


「はい、ご報告させていただきます」


アクアリア=フォン=アスラエルとトール=フォン=ヴァーミリアンの二人が立ち上がり報告事項を読み上げる。


二人はたくさんの生徒会入会試験希望者の生徒の中から入会試験に見事合格した生徒だった。二人ともSクラスに所属しており、序列一位と序列二位の席に着いている学園からも生徒からも憧れ、尊敬されている二人であった。


「学園に入学して一月が立ちましたが、現在のところ校則違反者及び無効試合を行った生徒は居ません。一か月ほど前にあったサザーン氏の不適切発言の影響も特にありません。 不適切発言を行ったサザーン氏ですが、現在は大人しくしており、あの決闘戦以降一度も決闘戦・模擬戦を行っておらず大人しく学園正確を送っているようです。 以上でご報告を終わります」


「ご報告ありがとうございます。 サザーン氏に関してですが、引き続き監視のほどよろしくお願いします。それと並行してサザーン氏の選民意識に同調した他の貴族生徒たちに影響が出ていないかの調査も引き続きお願いします。 では次は二年生を代表してフラメンタさん、ご報告お願いします」


セシリア会長が代表者を指名する。

生徒会に所属する二年生は全員で六名もおり、その中で一番序列の高いフラメンタをセシリアが使命して報告事項を読ませる。


「はい。二年生代表のフラメンタがご報告させていただきます」


茶髪の髪をふんわりミセスにセットし、おっとりとした雰囲気を纏った女性が立ち上がり報告事項を読み上げる。


「特に問題はないので、ご報告を終わらせていただきます」と言い切って、席に座る。それを見た他の二年生生徒たちはガクッと首を落としたり苦笑いを浮かべている。


「フラメンタよ… もうちょっと真面目に報告しようぜ」


緑色の髪をサイドとバックを短く刈り込んだ髪型の男性がフラメンタに抗議の視線を向ける。しかしフラメンタはその視線に気づきながらも「何のことか分かりません」と言いたげな表情をして席に座る。それをみた男性が席を立ってフラメンタの代わりに報告してやる!とばかりにフラメンタの手元にあった紙を取り上げ報告を読み上げる。


「代表のフラメンタに変わり、アビス=ワーグナーがご報告します。 今年から二、三年合同の校内序列戦が始まったことによる動揺や問題は起きておりません。まだ一年生で問題のあった王国貴族にふさわしくない不適切な言動・態度をとった生徒も今のところは見当たりませんでした。 後、肉体言語研究会のところに「臭い」「研究会室が汚い」「不潔・不衛生」などの苦情が多々寄せられましたので、俺とフラメンタ・アビリオの三名で厳重注意をしておきました。 以上で報告を終わります」


「アビスさん、ありがとうございました。 引き続き生徒たちに校内戦に対する不満や動揺が無いかの監視監督をお願いします。何かあれば生徒会顧問教諭であるウサマール先生か生徒会長である私に言ってください。」


「分かりました会長」


「では本日の報告は終了にします。 ではお次の議題に入りたいと思います」


セシリア会長の言葉に全員が目を向ける。

本来ならこの定期会議は報告議題のみで終わることがほとんどであり、会議が終わった後はみんなで団欒したりして解散するのだが、今日はまだ議題があるとばかりにセシリア会長が会議を続けようとしたので、全員が少し驚きの表情を浮かべながらもセシリア会長を見る。



「次の議題ですが、生徒会に迎え入れたい生徒がいましたので… そのご報告と皆さんのご意見を聞きたいと思います」


その言葉に生徒会に所属する生徒たちの顔色が変わった。



G.W開けても短期バイトがいまだに忙しい…

速く契約期間が終了してほしいと願うばかりです(>_<)

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