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1.永遠の後悔

思いっ切ってトーカッ!

※文章おかしかったので、全体的に書き換えました。(2019.01.04)

※文章を書き換えました。2019.2/15

※人物名なども変更しましたので、色々と変わっておりますのでご注意ください。



「あっ 忘れもんしちまったわ!」

「え? マジ!」

「やっちまったなぁ!」



 アハハハって笑いあっているのは俺と一緒に下校している友人たちだ。


 俺の忘れ物しました! 宣言に一番初めに反応したのが『山田信彦(やまだのぶひこ)』愛称のぶちゃんと言う男で、普段からニコニコずっと笑っていて、いつも面白い話を持ってきて笑わせてくれるムードメーカー的な存在だ。


 もう一人の「やっちまったぁ!」って言ったのが『田中圭太(たなかけいた)』愛称がケイタと言う。

 多少悪ノリが過ぎる奴だが、見た目はチャライが中身は優しく、よく人が気付かないことに気が付くお調子者だ。


 俺は高校に入学してから、たまたま席が前後だったので話しかけたところ意気投合して、それからずっとつるむようになって高校三年のこの時期までずっとつるんできた大切な友達だ。


 その日もいつも通り部活にも入っていない俺たち三人は、授業が終わるとバイトがある奴はバイトに走ったり、バイトがない日は高校の帰り道の途中にカラオケボックスに寄って歌ったり、ゲームセンターに寄ったりして帰るのが日課だ。


 今日はバイトも無く、久しぶりに三人とも放課後はフリーだったのでみんなで久しぶりにカラオケでも行って騒ごうぜ! ってことになり、みんなでカラオケボックスに行く途中に、学校に一番忘れちゃいけない財布を教室に忘れていることに気が付いたのだ。


「はぁ~ 財布忘れるとか俺情けねぇ……。ちょっとロッカーに取りに行ってくるわ」

「っていうか財布忘れるとか、やべぇだろ(笑)」

「財布無かったらカラボいけねぇーじゃん! 早く取りに行って来いよ!」

「おぅ! せっかく駅前まで歩いてきたのにめんどくせぇ」

「「財布忘れる幸樹が悪い!」」


 口そろえて言わないでくれよ……。


「じゃ! 俺ら先にいつものカラボ行ってるわ! あとで合流な!」

「おっけぇ! すぐ追いつくわ! 先行ってて!」


 俺、雪村幸樹(ゆきむらこうき)は、忘れてしまった財布を取りに戻るべく、一度歩いてきた道を逆走して学校にとんぼ返りするはめになってしまったのだった。


◇◇◇


 小中と地元の野球チームに所属してたので体力には自信があったのだが高校に入ってから野球をやめて帰宅部に所属(?)しているので、体育の授業以外はたまーに身体動かす程度の軽い運動しかしていなかったため予想以上に体力がないことに驚き、「野球続けていればよかった……」とゼェゼェと荒い呼吸をしながらなんとか教室にたどり着いた。


 今の時間は午後四時頃。みんな部活動に忙しい時間だろう。おそらく教室には誰もいないだろうと思っていた。誰もいないであろう教室の扉を開けると、教室内は予想通りクラスメイトは誰もおらず教室はシーンッとしていた。


 この高校の教室にはそれぞれクラスメイト分のロッカーが配置されてあり、ほとんどの生徒がそのロッカーに教科書や体操服を置いて帰ったりしている。このロッカーは基本的に各自家から持参した鍵を付けることが認められている。それは盗難を防ぐための防止策としているらしい。


 俺は誰もいないであろう教室に入り、後ろの壁に設置されているロッカーに向かうと、教室の一番奥の角隅に一人座り込んでいる人が居ることに気が付いた。


 一瞬「幽霊!?」ってビビりかけたけど、よく考えるとこの時間帯に幽霊なんかいるわけないな。と思い、改めてその角隅で座り込んでいる奴とみると、アイツだった。


 アイツとは出来る限り関わらないようにしないといけないので、俺はアイツに気づいていない振りをしながら自分のロッカーのカギを開け忘れていた財布をカバンに押し込み急いで教室から出ようとすると後ろからアイツに声を掛けられた。



「幸樹くん……久しぶり」



 随分久しぶりに聞く彼女(アイツ)の声だ。




◇◇◇


 彼女『咲花 朱莉(さきばな あかり)』は俺と幼馴染だ。

 俺が幼稚園の頃に近所に引っ越してきて、よく近所で遊びまわった幼馴染であり、

 そして…… 俺の“片想い人”でもある。それなのに、俺の口から出た言葉は素っ気無い言葉だった。



「おう、久しぶりだな……」



 アイツからは何も返事が返ってこない。「俺、友達とカラオケする約束あるから、またな」と言ってさっさと教室を出ようと教室の扉に向かって歩き出す。本当はもっと話したいけど、アイツと話しているところを誰かに見られてチクられたりするとやばいので早くこの場から逃れたかった。


 久しぶりに聞いたアイツ……いや、朱莉の声は随分やつれていたな……。


 俺は小さい頃から朱莉と一緒に遊んできた。小学校や中学校に入学しても変わらず一緒に遊んで、中学のクラスメイトからは「お似合い夫婦!」とまでバカにされるくらい仲良しだった。


 だけど、朱莉との関係は高校に入学してから疎遠になり変わってしまった。


 高校に入学後、それぞれ別々のクラスになったのだ。まぁ別々のクラスになるだろうなぁ程度には思っていたので入学式が終わった後に朱莉に「一緒に帰ろう!」と誘いに行ったときに、朱莉は入学式のあとの『みんなで仲良くなろう親睦会!』的な食事会に出席するため俺とは一緒に帰れないと言われたので俺はそれなら仕方がないなぁと思って先に帰った。


 それから俺と朱莉はしばらくの間は、家も近所で高校も地元の所に通っているので一緒に登校していたが、それぞれ別々の友達と一緒に登校するようになり、俺は自分の中にある「朱莉が好きだ!」という気持ちを伝えることが出来ず、そのまま話さなくなってしまった。


 それから二年ほど俺と朱莉はまったく話すことがなく、それぞれ仲良しグループで楽しく高校生活を送っていると思っていた高校三年目の春。俺と朱莉は偶然にも同じクラスになったのだ。


 面白いことに入学当初から仲良しののぶちゃんとケイタとも同じクラスだったので、楽しい高校最後の一年間が過ごせると思っていた。が、俺は全く知らない間に変わってしまっていたのである。


 俺がふと朱莉の方を見ると、朱莉の周りには誰もおらず一人寂しく読書をしていた。「何しみったれて本読んでんだ!」と思って、随分久しぶりに話し掛けようと朱莉の近くに行くとそこには、いつも楽しくニコニコ笑って騒いでいた俺の知っている朱莉ではなく、ただどこかやつれた顔をしている朱莉がそこにいた。


 俺はそんな変わり果てた朱莉の姿を見て、どうしてそんな顔しているんだ? と疑問に思ったが、朱莉の纏う雰囲気に気後れされ、話し掛けることが出来ずその日を過ごしてしまった。


 あれからどうしても朱莉の姿が頭にちらつくので、直接確かめるべく朱莉の携帯電話に連絡を取ると「今少し体調崩してるだけだから」と理由をはぐらかされたのだ。


 初めはその言葉を信じたが、一向に朱莉の様子が変わらず本当に大丈夫かと思い始めた時に変な噂を聞いたのだ。


 俺はその噂が本当かどうか確かめるべく、一年の頃朱莉と同じクラスメイトだった知人に話を聞くと「コレ内緒にしろよ」ってことで話を聞くことができたのだが。



 俺が聴いた噂は現実だったのだ。



 噂いわく、

・二年の時にサッカー部の部長でエースの山崎が朱莉に一目惚れをしたので「俺と付き合え!」と迫ったが、朱莉は「好きな人が居るので無理です」ときっぱり断った。

・振られたことに腹を立てた山崎が不良グループとつるんで朱莉を虐め始めた。

・朱莉と一緒に居る奴は問答無用で虐める! と山崎が学年中に宣言した。(俺は知らなかった)

・朱莉と一緒に居ると虐められるので、全員離さないようになり、朱莉は孤立していった。




「……な、なんだよ…… それ……」


 俺もサッカー部主将の山崎のことは知っている。イケメンで運動神経抜群。一年の時からレギェラー入りした学校でも有名な男だ。だけど、山崎の周りにはいつもギャルやそのギャルに群がる野獣みたいな不良たちが集まっており、山崎もそいつらとつるんでいるという噂は聞いたことがある。


 その山崎によって朱莉がいじめられていることを俺は初めて知った。


 すげぇ腹が立った。なんだよそれ……ふざけるなよ。

 山崎が勝手に告って振られた腹いせにイジめるとかマジでふざけんじゃねぇ! そんなのただ醜い逆怨み。嫉妬心だ。


 俺はすぐに朱莉を助けるべく動こうと思った。


 しかし、俺は知っていたのだ。

 山崎がどんな奴なのかを。


 山崎の周りには学校の札付きの悪がたくさんいる……。

 対する俺は帰宅部のオタクみたいなひょろ小僧みたいな奴だ。


 俺が朱莉を助けるために動いてることが山崎にバレたら、俺は山崎とそのつるんでいる札付きの悪と喧嘩することになるだろう。いや、喧嘩にならず俺もいじめられっ子に転落するだろう。


 もしかしたら俺でもワンチャン勝てるかも!?

 そう考えてしまうのは思春期の青年だから仕方がなかったのだろう。だけど現実の俺は分かっているのだ。




(……勝てる訳ねぇな……)




 だけど虐められているのなら助けてやりたい!

 学校の先生にチクればいいんだ!



 そう思ったけど、やっぱりいじめられるのは怖い……

 

 チクったのがバレて、いじめられるのが怖い……


 いつも楽しく笑っている友達に無視されるのは怖い……



 そう思っている自分に対して腹が立った。

 だけど、動けない俺がいる。


 そのまま何もできず、俺も無関係を貫こうと自分の保身に走ってしまったのだ。




◇◇◇



 そんな朱莉が俺に話しかけてきた。



 すっげぇ嬉しかったのに……



 そっけない返事をしてさっさと教室から出てしまった自分が、情けなかった。



 胸がズキズキとすごく痛い……。



 俺は教室から出る直前チラッと朱莉の方を見ると、そこには悲しそうな顔をしてうつむいている朱莉の横顔があった。











 ――――――――その数日後、咲花朱莉はトラックに轢かれこの世を去った。




※文章おかしかったので、書き直しました。


新年あけましておめでとうございます。

ついに“平成”という一時代が終わりを向かえる年となりました。

次の年号は何なんでしょうね~( *´艸`)

自分的には“恵展けいの”っていう年号名を考えました!

意味は「日々進歩している世界は恵まれ、これからも発展していくだろう」っていうことから

『恵展』っていう年号名を考えました。

まぁほとんどネタで小説の本編とは無関係なのでスルーしてください。


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