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マヤの神話と伝説  作者: 三坂淳一
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バラム・キチェの一族

マヤの神話と伝説


バラム・キチェの一族


 その昔、アジアで大変動が起きて、川、湖、谷及び山がそれぞれ地形変動しておりました。

 この変動により、マンモス、ジャイアントバイソン、ラクダの大群は牧草を求めて北東に移動せざるを得ませんでした。

 そして、絶え間なく前進しながら、見つけ次第、食べ物を食べ尽し、新しい環境にも適応する一方で、それらの動物の肉を栄養源とし、同時にその皮と骨を原始的な衣服と道具として利用する狩猟民族を移動させるという結果を引き起こしました。

 同一方向への漸進的移動は何世紀にも渡り、最初の群れはシベリアを経由して、現在のような海峡とはなっておらず、固い陸地であったベーリング海峡を通って、今日アラスカと呼ばれる地域に到着しました。

 その足跡を追って常に人類も追っかけて来ましたので、ついには人類も同じ経路でアラスカまで到達しました。

 このようにして、先アメリカ大陸への人類の居住が始まり、その他の変動が引き起こした、この場合は気候的な変動であったが、ベーリング海峡による通行が出来なくなったという事実によって強調されて考えなければならない状況もありました。

 このような狩猟民族の前進は冷間地域で止まることはなく、より温和な気候を求めて西海岸沿いに下り始めました。

 時が過ぎ、より生存に適した土地を探し出し、狩猟を捨て、農作を行なうようになりました。

 一方、動物の群れは牧草が豊かに茂った土地を見つけ、同様に定住するようになりました。

 確かに、広大な草原はありました。

 これらの部族が同一場所から来たのではなく、一つの言語を話したのでもなければ、同様に宗教も共有していなかったことは容易に理解出来ます。

 占領した領土を守るための戦争も起こったのに違いありません。

 負けた部族は追い出され、常に南に向かって他の土地を見つけることを余儀無くされました。

 しかし、それにもかかわらず、マヤ民族は最初の先祖たちが遥か遠くの大陸で始まった大解氷から逃れるために小舟に乗って北方、即ち「シャマン」という地から辿り着いたということに納得しているのです。

 それで、ユカタンの地を踏んだ時は、寒さに震えていました。

 しかし、ユカタンでは思いがけない温和な暑さを見出したのでした。

 この暑さは太陽によってもたらされたものでありましたが、すぐに彼らは火を発見することが出来ました。

 感謝を表すために、太陽を自分たちを温め、救済してくれるものとして神に祭り上げました。

 ポポル・ブーの一節にバラム・キチェの一族が先祖の地を捨てて、より生存に適した地を探した、という文言があります:

 「おお、私たちの息子たちよ。さあ、出かけようではないか、いや、帰ろうではないか。今、賢明な忠告をお前たちに残すこととする。遠く離れた祖国からやって来たお前たちは全て耳を傾ける。私たちを決して忘れてはならない。なぜなら、いつでも私たちはお前たちの記憶に残っているからだ。再び、自分たちの住処と自分たちが生まれた麓の山々を見ることになるだろう。そこに定住することをためらってはいけない。その後、さらに道を歩き続けよ。そうすれば、来たところを見ることが許されるだろう」

 これらの文言はバラム・キチェとその一族に向けて書かれています。

 そして、ユカタンに定住したマヤの祖先は太陽がいつも生まれるという土地から、海のルートでやって来たのです。

 沢山の一族がユカタンの地に定住した時には、バラム・キチェの一族は既に老人となり、彼らは死んで行きました。

 どこから来たのか、単なる神話として残したまま。



- 完 -


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