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3話 穴の先は・・
「よいしょっ。よいしょ・・・ふぅ~、やっと出れたー!」
穴から出てきたウィルはそう言って伸びをし、窮屈だった穴で強張った体をほぐす。
ある程度、そうしたのち今度は周りを見渡すとさっきまで追いかけていたメタルスライムがいないことに気がつく。目の前には石で出来た壁が横に広く広がっているだけだった。
「あれ?さっきのメタルスライムどこいったんだろ??」
ウィルは毎日必ず一匹はメタルスライムを捕まえて家にもって帰っているため、取りのがしたのが悔しいのかその声は若干ふて腐れている。
「あっ!」
しかし、目の前の壁を見上げて見るとそれが城だということに気付き、ふて腐れた気持ちは一転、ワクワクとした好奇心に変わった。
早速、城の中へ探検しようと入り口を探すためウィルは壁沿いを歩きだした。