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86.ホタルvs魔人デリアード

はい、お待たせました!!

続きをどうぞー。

 


 デリアードが魔人だとバラして、”破界”を壊されたため、大会どころではなくなった。観客はこの場から離れようと、出口へ向かって逃げ出し、腕に自信がある少数は闘技場へ上がってこようとする。だが、それをホタルが大声を上げて止めていた。


「来るな! お前らじゃ、足手纏いだ!!」

「なっ、一人でやるつもりか!?」


 ホタルに止められ、ダートが声を上げる。魔人は一人で相手に出来る程に甘い相手じゃないのは知っている。


「当たり前だ。結界は壊れ、殺されたら終わりだぞ。それに、お前らは素早いスピードに対応出来ないだろ?」

「ッ!」


 武器を取ったものは、ほとんどが大会に参加した者だった。しかし、その中でデリアードのスピードに反応出来た者はホタルだけだ。

 図星を突かれ、黙ってしまうダート達。ホタルにしたら、一緒に戦って貰うよりは周りを包囲して、デリアードを逃さないようにして貰った方がやりやすい。


「くくっ、あまり私を舐めないで欲しいですね。貴方だけで戦うと?」

「そうだ。さっさと死ねよ」


 空中に浮いているデリアードに向けて、黒死点を竜巻のように立ち上げて逃げ場を無くす。続いて、自分を乗せた手形の黒死点でデリアードに近付ける。


「接近戦ですか、無駄なことを」


 デリアードは黒死点の竜巻を無視して、一瞬でホタルの側で首を斬り落とそうと、手刀を落とすがーーーーホタルはデリアードを見ずに避けていた。


「おや?」

「おらっ!」


 避けた瞬間に黒死点を打ち込もうとするが、先にデリアードが下がってしまって、当てられなかった。


「チッ、早いな」

「うーん、もしかして、先読みをしている?」

「答えると思っているのか?」

「そうですよね」


 ホタルの真・空間認識は、目で見ているわけでもない。攻撃軌道を正確に感じ取り、避けているからデリアードの言う通りに先読み類に近いかもしれない。


「あー、これだから先読みが出来る敵は面倒ですよね。まぁ、殺せないわけでもないけど」

「ハッタリをかますなんて、余裕がないんだな?」

「ハッタリではありませんよ。先読みされるなら、それよりも早く殺せばいいだけだ。このようになーーッ!」


 デリアードは音を操る能力を持っており、自分自身を音速で動けるようにする技がある。いつも抑えているが、本気で動けば自分自身をも傷付ける諸刃の剣になるので、一瞬しか使えないが、一瞬あれば充分だーーーー




「ごぶッ」

「音速は先読みよりも速い」




 ホタルはデリアードに腹を貫かれ、口から赤い液体を吐き出していた。身体は機械だが、赤い液体が通っているなと思い、貫かれているのにホタルは笑っていた。


「……何を笑っている?」


 観客の中からアルエルの叫び声が聞こえるが、今はチャンスを逃してはならない。

 そのためにーーーーーーーーワザと受けたのだから。

 ホタルには音速で動いているデリアードを感じ取って、狙われているのが腹までも理解していた。

 真・空間認識はデリアードがスピードを上げようが、ちゃんと反応を感じ取っていたので、デリアードがやった意味は無くなっていたのだ。

 早く動いたなら、早く反応すればいいだけなのだから。それに反応して、対応出来るぐらいの実力がホタルにあったのもあり、チャンスを作れたのだ。

 ただ、迎撃は黒死点ではスピードか足らないので別の技を使う。音よりも速い現象と言えば?




「”天鐘”」




 音よりも速い物は、『光』だ。光の効果を持つこの技で、迎撃をする。


「ぐ、ガァァァァァァ!?」


 ホタルから眩しい光が放たれて、デリアードは嫌な気配を感じて、腹から手を抜いて離れようとするが、遅かった。いや、攻撃は光速だったため、音速では逃げ切れずに身体を焼かれてしまう。

 ”天鐘”はそれだけの効果だけではなく、自分自身の傷を回復することが出来るのだ。HPも50%も回復していた。


「お、完全に塞がっているな」

「き、貴様ぁぁぁ!!」


 悪魔族は光魔法に弱く、天鐘のような回復が主体で攻撃が副次なる効果であっても酷い火傷を負わせるぐらいは出来た。

 デリアードは身体の被害を無視して、全力のスピードで今度は急所になる首を刺そうとしたが、それさえも反応されていた。さらに、動きを少しでも鈍くさせるために、ワザと自分の肩を貫かさせた。


「なっ!?」

「”天鐘”」

「ぐっ!!」


 また光を浴び、苦しむデリアードだが殺しきるには威力が足らなかった。肩を貫いたまま、音の振動でそのまま手刀に移行しようとするデリアードだったが、ホタルも”天鐘”では殺しきれないのはわかっていたので、”天鐘”を発動する同時に、黒死点を顕現してホタルごと巻き込むようにデリアードを狙っていたのだ。

 追撃をしようとして、逃げる隙を逃したデリアードはそのまま黒死点を喰らい、身体中に斑点を浮かべて宙から落ちていくのだった。

 それだけで終わらず、”天鐘”を『万象』で槍の形に固めて投擲をすることで、トドメを刺す。

 デリアードは腹を光の槍に貫かれて、地面へ縫い付けられる。




「グガァッ、ガァァァ……」

「…………まだ生きてんのかよ」


 そこまでしても、まだHPは1割ほど残していた。だが、黒死点による効果もあるので、すぐに死ぬだろう。




「き、貴様…………ただで死ななんぞ……ッ!!」


 デリアードを中心に、魔力が高まっていくのを感じていた。だが、魔法を放つ術式もなく、ただ魔力を暴走させているような…………




「まさか!! 自爆でもするつもりか!?」




 デリアードの狙いがわかった者は、HPを0にするように動いていたが距離がありすぎた。ホタルも動いていたが、もう遅い。

 HPを0にすることが出来れば、魔力を暴走させることが出来ずに霧散するが、もうデリアードは自爆の準備が終わっていた。


「は、ハハハハハーーーー!! 死ねぇぇぇぇぇ!!」

「それは、お前だけにして貰おうか」

「は?」


 何処から現れたのか、4人のエルフがデリアードを囲むように包囲していた。その中の一人が、術式を完成させる。




「『朱陣封殺』」




 デリアードを閉じ込めるように、赤い結界が現れた。その後にデリアードが自爆をするが、4人のエルフによって発動された『朱陣封殺』が爆発による衝撃と熱気を結界の外へ放出されることは無かった。




「おやすみ。愚かな悪魔族よ…………」




 デリアードの悪足掻きは突然に現れた4人のエルフによって、終結されるのだった…………







突然に現れた4人のエルフは誰なのか?

次回にて、お楽しみをーー!!

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