表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/117

80.魔闘技会⑤

はい、どうぞ!

 


 新しいスキルに進化した『黒死点』。早速、解析で詳細を確認してみた。勿論、ドゥムを警戒しながらだが。



 ーーーーーーーーーーーーーーーー


 黒死点


 疾風よりも高い致死の効果を誇る。

 黒死点によって【病苦】になった場合は、身体から斑点が浮かんで対象を朽ちて行く。斑点は感染箇所から広がっていき、魔力も分散する。


 ーーーーーーーーーーーーーーーー



 つまり、感染した箇所から急激に腐っていくみたいな物か?

 まぁ、効果が上がっているのは嬉しいが、それよりも大切なことがある。

 それは、使ってみればわかることだ。ホタルは早速、ドゥムに向けて黒死点を発動した。


「また同じのをーーーーッ!?」


 ドゥムの何かが働いたのか、槍で払おうのを止めて、土魔法の”地鎧兵”を発動していた。

 操作はされていなく、ただ真っ直ぐへ飛んでいた黒死点は、”地鎧兵”と衝突する。このくらいなら、”地鎧兵”の頑丈さが勝つ。だが、ドゥムはさっきの悪寒がわからなかった。

 触れてはならないと勘が訴え、さらに危機察知が悪寒で知らせていた。

 触れるなと…………。




 その勘や危機察知は正しかったようで、受け止めていた”地鎧兵”に斑点が浮かんでいた。そして、そのまま崩れていき、ただの土に還って行く。




「なんだと!?」

「ほぅ、無機物にも効果があるか。操作も前より自在に動かせるようになったか。これなら、行けるな」

「何がだ!?」


 明らかに、さっきと違う黒い霧に驚愕しつつも、こっちへ向かってくる黒死点を三体の”地鎧兵”で盾にしていく。崩れたら、次の代わりを発動するといった感じだ。

 だが、それでは…………


「はぁ、はぁはぁ!!」

「MPを使い過ぎたな。終わりが近くなったな」

「強い、子供だと思ったが、ここまでだと」

「最後に魅せてやろう」


 疾風の時もそうだが、黒死点は黒い霧の状態にしか顕現出来ない。つまり、形のある武器を作るには黒死点では出来ないのだ。まだレベルが低いからかもしれないが、疾風の時には出来なかったのだから、あまり期待は出来ない。

 だが、『機人形』のLv5で、新たに出た技がそれを可能にしてくれる。




「『万象』」




 この新たな技が、黒死点に形を与えてくれる。ホタルが思い付いたことは、黒死点を空中に大量に浮かして、ナイフという形を作った。『万象』は様々な形に変えられるし、気体を個体に固めることが出来たりと、便利な技である。まだ使いようがあるかもしれないが、今はこれだけで充分である。

 空中には、ナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフナイフと、大量に浮いていた。




 何故、ナイフなのか?

 黒死点の効果を思い出して欲しい。斑点は、感染箇所から広がっていくと。もし、腕に感染箇所が出来ても、斑点が広がる前に腕を切り落とす覚悟がらあれば、防げてしまう。

 だから、ホタルは全身へ一気に感染させることが出来れば、強力な【病苦】の前に1秒も生きられまい。


 此れだけのナイフを前にすれば、凡人は諦めるだろう。だが、ドゥムの老人はまだ諦めていなかった。

 ナイフを落とさられる前に、ホタルを殺すことが出来れば、勝ちなのだ。




「うぁぁぁぁぁ!!」





 残ったMPを槍に込め、突き刺した。また大量の槍が生えてくると思ったが、現れたのは、巨大な穂先だった。穂先はホタルの前から突き刺すように地面から現れたがーーーー




「甘い」




 ホタルは空中へ跳び、穂先をギリギリ避けた。


「まだまだぁぁぁ!!」


 今度は、ホタルが跳んだ後に下から大量の槍が現れた。空中にいるのでは、避けられずに槍の剣山へ落ちるしかない。

 剣山で動きを止めた後、手に持っている槍を投げて、心臓を狙おうと考えていた。




 しかし、槍は投げられることはなかった。何故なら、ホタルは黒死点を手の形に作り出して、その上に立ったからだ。


「な、なんだと……」

「狙いは良かったけど、この想定はしてなかったのが敗因だったね。バイバイ」


 ホタルがバイバイをすると、空中に浮いていた黒死点で出来た黒いナイフが一斉に落ちた。

 ドゥムはもう魔力がなくなり、もう打つ手がないまま、ナイフを受け入れるしか出来なかった。


 地響きが鳴り続き、最後の1本が落ち終わった頃に、ドゥムが外へ排出されていた。

 つまり…………




「ホタル選手の勝利ぃぃぃ!!」




 イリーナの宣言を受け、ホタルは最初のトーナメント戦を勝ち進んだのだった…………。







どうでしたか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ