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77.魔闘技会②

お待たせ!

続きをどうぞ!!

今回は別視点も入りますので、よろしくお願いします。

 


 昼頃になり、ホタルは戦いの場に立っていた。

 そう、ホタルは既に魔闘技会に参加しており、周りは何十人の参加者に囲まれていた。こちらを見る目は奇妙そうな視線ばかりだった。皆は、こう思っているだろう。


 何故、子供がここに……?と。


 ホタルが聞いた魔闘技会のルールでは、相手を死体にするか気絶させれば、自動的に闘技場の外へ送還する。もしくは、生きたまま外へ吹き飛ばすことも可。


 今は参加者を絞るために、予選のデスマッチを始める所だ。それを8回繰り返して、トーナメントに参加する8名の選手を決める。


「んー、20人ってとこか」


 奇妙な視線を向けられていたホタルは、周りを見回すが強いと思える人はいなかった。暫くは攻撃をせずに逃げ回って、強い者が生き残るまで待とうと思ったが、強いと思える人がいないなら意味はない。だから、すぐに終わらせようと決めた。




 開始の合図が出た瞬間に、全方位へ向けて疾風を撒き散らすことで。




 いきなり黒い霧を撒き散らされて、周りから絶叫が聞こえてきた。それ次第に、周りにいた人達は苦しみ出して倒れていく。

 立っているのはホタルだけ。【病苦】は自然回復出来るが、そうなる前にHPが無くなるだろう。

 それぐらいにHPの減りが早くなっていた。大会中は薬を使えないので、自然回復を待つか回復魔法で治すしかない。だが、この中に回復魔法持ちはいなかったようで、次々と外へ送還されていく。


「こ、このガキがぁぁぁ」


 せめて、道連れにしようと苦しみながらも立ち上がって剣を刺そうとする男が現れた。だが、ホタルはその剣を指白羽取りで受け止めた。


「なーーーーゴフッ!?」


 剣を受け止めた後に、普通のパンチを腹に喰らわせた。子供のパンチなどは急所を狙わない限りは呻き声を上げさせることなどは不可能だろう。

 だが、ホタルは呻き声を上げさせるどころか、腹にめり込んでいて声を上げさせなかった。

 痛みによる苦しみと【病苦】の苦しみが相俟って、動けなくなった。


「まだ動ける人がいるなら、もう1発だ」


 また疾風を撒き散らし、まだ生きている人の口や鼻へ入り込ませた。

 そして、数秒後に皆が外へ退場した。そして、ホタルはトーナメント進出が決まったのだった…………






 ーーーーーーーーーーーーーーーー




 別の視点から。


 私は、実況を任されたイリーナです。

 エルフですが、戦いを観戦するのが好きなんです!!

 あぁ、ムサいオトコ達が命を懸けて殺りあう大会は素晴らしいとしか言いようがないですねッ!!


 あれこれ残念な性癖を持ったエルフ、冒険者であるイリーナは実況と言う依頼を見つけ、面接を受けた次第に合格した。

 実況は出来なくはないけど、一番いい席で大会を観たかったから、依頼を受けたのだ。


 そして、大会が始まった。

 1回目の予選は剣士、魔術師、狩人などの様々な職業が集まっており、観戦を楽しんでいた。

 勿論、実況も忘れない。


「えー、今回は様々な職業があって、見る側は楽しめそうですが、戦う側は大変そうですね」

「そうですね。戦い方も違っているので、対応に追われそうですね」


 隣には同じく、実況を受け持つ人間のケリー。爽やかな雰囲気を持っており、エルフに劣らずの美形である。

 因みに、私と同じパーティ仲間である。同じパーティ仲間に慣れている相手なので、実況も進めやすい。


「あ、魔術師が一気に土魔法で周りを一掃しましたね。……って、あれはアレク・ラージじゃない!?」

「あ、本当だ。Aランクの冒険者で、土魔法が得意で優秀な魔術師ですね」


 2人も知っていた人物であって、まさかここに来て大会へ参加していたことに驚いていた。


「あのアレクがね。やっぱり、賞品がアレだからかな」

「そうでしょうね。魔術師なら誰でも欲しい物ですし、剣士の人は高く売れるのもあるからねー」


 2人が実況している間に、1回目の予選で勝者が決まった。

 勝者はさっき、土魔法で周りを一掃していた魔術師だ。


「んー、やっぱりAランクとなれば、実力に隔たりが出来ちゃうよね……」

「そうでしょうか? 誰かと組んで、周りから攻めれば…………いえ、さっきの土魔法で一掃されて終わりでしたね」

「だよね。この大会は誰とでも戦えるのは良いけど、トーナメントは確実にランクが高い人ばかり集まるんだよね」

「いいじゃないですか? その方が見る側は楽しいのですから」


 実況と言うより、会話をしている内に、2回目の予選が闘技場に集まっていく。


「んー、知っている顔はあまりいないね。Cランクが1人いるぐらいかな…………え、子供?」

「あ、本当だ。まだ10歳にもなっていないんじゃない?」


 なんで、子供がいるの?

 もしかして、間違って入ってしまったとか?


 間違って、入ってしまったなら連れ出さないと駄目なので、手元にある申請書を確認する。手元には、参加者が出した申請書があり、グループごとに別れており、誰が参加しているのかわかるようになっている。


「あら、申請書があるわ。まだ8歳で冒険者じゃないみたいわ」

「えっ、申請していたのか!? ……本当だ、名前はホタル?」


 申請されているなら、子供は参加者ということだ。なら、黙って経緯を見守るしかない。


「大丈夫かな?」

「驚いたけど、今はあの結界があるんだから、大丈夫だろ。すぐに外へ放り出されるだけだから」


 イリーナはその言葉を聞いて、それもそうだねと納得していた所にーーーー




 開始された瞬間に、子供の周りから黒い霧が現れて、周りへ撒き散らされていた。




「えっーーーー?」

「な、何が!?」


 イリーナの眼には、立っているのはホタルだけで、周りにいた大人達は倒れていた。それで、黒い霧はホタルが何かしたのがわかるが、まだ信じられない思いだった。

 大人達が苦しんでいるのは、【病苦】のせいだと鑑定で理解したが、【病苦】にするスキルを人間が使えるなどは聞いたことがない。

 殆どは魔物が使っており、接触することで【病苦】にする魔物がいるのは知っているが、ホタルがやったように黒い霧を撒いて、【病苦】にすることが出来るスキルは知らない。


「まさか、子供が未確認スキルを!?」

「あ、1人の男が立ち上がって、子供に攻撃をーーーー受け止めた!?」


 受け止めるだけで終わらず、腹をめり込まされる反撃を受けていた。その攻撃に耐えられず、攻撃していたCランク冒険者である男は倒れた。

 また、黒い霧みたいなのを撒き散らされて、最後に立っていたのは子供だった。


「嘘……」

「あぁ、凄いな。子供がトーナメント進出が決まったよ」


 呆然するイリーナだったが、ホタルが闘技場から去る前に、鑑定を発動していた。




 《鑑定は出来ませんでした》




 鑑定は出来なかった。つまり、レベルの差があり過ぎて調べられなかったか、『隠蔽』のスキルを持っているのどちらかだろう。おそらく、まだ8歳だから、後者の方だと思う。


「あははっ、面白くなってきたわね。どんな人か気になるけど、今は観戦を楽しまないと!!」

「ちょっとちょっと、実況も忘れないでね?」


 イリーナは興奮する様子で、ケリーの言葉などは聞いてなかった。

 ホタルがこれから何を見せてくれるのか、ワクワクしながら実況を進めていくイリーナであった…………







サクッと予選通過したホタルでした。

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