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67.撤退

遅くなりました!

では、続きをどうぞ。

 


 イングランドラゴンはダンジョン辺りを睨み、ホタル達が視界に入る。

 そして、先程の攻撃。大量の刀を落とそうとした者だと判断していた。

 刀を落とされなかったが、発現したことを威嚇だと受け取り、イングランドラゴンは恐怖を撒き散らす咆哮を吐き出す。

 ホタルはさっきのを自分がやったと勘違いされているとわかったが、弁解をしても無駄だと感じ取った。イングランドラゴンはヤル気になっているからだ。




「くっ! こんなのとやってられるかよ!? アルエル、逃げるぞ!!」

「何処へですか!?」


 空を飛べる相手に何処へ逃げればいいのか?

 ダンジョンはそのまま残っているから、そこに逃げる一手もあるが、入り口を崩されて出られなくなる可能性もある。


 では、森の中へ逃げるか?


 それもイングランドラゴンが火のブレスを吐けるなら、森ごと焼き尽くされて、死ぬだけだ。

 ならーーーー




 一気に山を越えて、エルフの領地へ逃げるしかねぇ!!




 ホタルが考えたのは、近くにある村や街に、ドラゴンを擦り付けてから逃げ出す方法だ。だが、ここからだと帝国は遠すぎる。更に、帝国領側では、人の気配が近くにないので、エルフの領地に行き、村や街を見つけ出すしかない。


 イングランドラゴンの口から火種が溢れ出る。それを見て、広域に広がる炎が来ると理解した。




 ガァァァァァァーーーー!!




 ホタルは前に出て、”拒無”を使って防いだ。火種から魔力を感じたから消すことができたが、純粋に火を吐いただけだったら、防げなかっただろう。

 目くらましの意味で疾風を顔辺りに纏わせるがーーーー




 ガァッ!!




 イングランドラゴンは一喝をするだけで、疾風は消し飛ばされた。少しは身体に触れたので、【病苦】ぐらいはなっていると思った。

 だが、ステータスを見ても名前しか表示されていなかった。どんなに低レベルの鑑定でも、状態異常だけは必ず見れるはずだ。それが表示されてないということは…………


 厄介な!?

 病苦になってねぇッ!!


 どうやってやったかわからないが、イングランドラゴンは病苦を無効出来るか、何らかの方法で防いだのどちらかだろう。

 だが、目くらましにはなった。

 視界を塞いだ今の内に、2人は気配操作で出来るだけ気配を薄くして、山へ向かった。


『喋るなよ。小さな音も拾えるかもしれんからな』


 アルエルはこくんと頷いた。山の木々に守られながら、静かに戦闘上から抜け出そうとする。




 だが、すぐに見つかってしまった。イングランドラゴンは高いレベルの魔力感知を持っていたのだ。眼がこっちに向けられているのを理解したホタルは気配を薄くするのやめて、アルエルの手を掴んで、全力で走り出した。




 ガァッァァァァァァ!!




 再び、炎を吐き出すが、ホタルは”拒無”で防ぐ。これで、拒無に使う魔力が偽造永久機関込みで足りなくなった。

 これでは、次にまた炎の息吹を吐き出されたら、もう防ぐ術はない。2回防いだのを見せたのだから、もう炎の息吹を使ってこないことに賭けるが…………現実は非常である。




「また炎を吐くのかよ!?」




 イングランドラゴンはこっちがもう拒無を使えないことを理解しているかわからないが、炎を吐き出そうとしていた。

 アルエルが魔法を使って攻撃をしているが、尻尾で振り払われている。余り意に介してないようだ。

 ホタルとアルエルがやれることは、防御を高めて、防ぐ為の壁を作り出す。おそらく、壁を突き破り、防御も突破されてしまうだろうが、それしか出来ない。

 そんなことを考えていたら、何処からか声が聞こえた。






「暗黒魔法、”暗堅牢”」






 突然、イングランドラゴンが黒い帯みたいな物で拘束されて炎を吐けなくなった。それで終わらず、この牢の主は更に魔法を発動して、4枚の翼に黒い槍が突き刺さり、イングランドラゴンは地に墜ちた。

 身体は黒い帯みたいな物で拘束され、黒い槍が地面と縫い付けるように刺さっているため、イングランドラゴンはしばらく動けないだろう。




「こっちだ!!」




 この状況を作り出した者の声が聞こえ、姿は見えないが、そこに向かう方が安全だと思えた。もし、ドラゴンが解放されて追ってきたとしても、2人は何も出来ないので、声の主に頼るしかない。

 その声に頼り、走り出していく。アルエルはホタルを信じて黙ってついて行く。

 後ろからはイングランドラゴンの声が聞こえるが、無視をして走り出して行くのだった…………











 しばらくして、イングランドラゴンの気配から出来るだけ離れた後、声の主が現れた。


「災難だったね。逃げ回っていたから、望んでない戦闘だと思って、助けたが?」

「あぁ、助かっ…………!?」


 木の上から現れた声の主は、ホタルと変わらない大きさの少女だった。だが、ホタルが驚いたのは、そこではない。

 頭に黒いツノが2本生えていた。




 ホタル達を助けたのは、魔人の少女だったのだ…………








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