51.助かった……
遅くなりました!!
今回は少し短めですが、続きをどうぞ!!
危ねっ!
あんな強者がいるとは。
すぐに逃げて正解だったぜー。
どうやら、馬車の方はこっちを追いかけずに帝国へ向かうらしい。自分の『望遠』とアルエルの『超聴覚機』の範囲内に入ってこなかったのが証拠だ。
「ホタル様は大丈夫ですか!?」
『避けたから傷一つはない。だが、あれだけ遠くにいて、攻撃出来るのはズルくね?』
アルエルが使う『火炎獅子』もある程度は離れた場所にいる対象へ攻撃も出来るが、さっきみたいに一キロも離れた場所は無理である。
『もしかして、さっきの技は継承スキルじゃね? 上級スキルで出来るのか? さっきのは』
「え、継承スキルって……?」
『知らないのか』
アルエルは継承スキルのことを知らないようだ。兵士がダンジョンを守っていたことから、帝国全体が知らないとは思えないので、偉い人にしか伝わっていないのだろう。
そこで、継承スキルやついでに自分がダンジョンで生まれた魔物であることも説明した。
転生のことはまだ話さない。一気に言われたら、頭がパンクしてしまうだろう。
「……えっ、えぇ!?」
『理解したな? よし、先に進むぞ』
「ちょっ、待って!!』
さっさと行こうとするホタルを抱きついて止め、話を続けようとする。
「今まで継承スキルって聞いたことがなかったけど……」
『多分、帝国が情報を規制していたんじゃない? あれだけ強いなら、機密にされても仕方がないわな…………動きにくいから離れろ』
「むぅ、思ったより暖かいんだね。機械だから、ひんやりしていると思った」
『そりゃ、動いているんだから、熱が発生しているんだろう』
継承スキルの話から、どうでもいい話に切り替わっていた。どうやら、アルエルはマイペースな所もあるようだ。
「もし、毛があったらぬくぬくしていたんだろうなー」
『残念ながら、毛を付ける予定はないんでな』
ホタルは出来れば、人型になりたいと考えている。今の身体では不便な所もあるので、使い慣れた人型が良いと思っている。
だが、どうやれば人型になれるかはまだわからない。スキルで人型になれるか、スキルポイントから買えるスキル欄を見てみたが、無かった。
『それよりも、早く行くぞ。これから向かう山に何かが起こっているかもしれん』
「え? あ、馬車は山がある方向から来ていたね。向こうに街や村はなかったと思うけど……」
『だから、早く行って調べるんだよ。もし、さっきの馬車が戻ってきたら後が面倒だ』
確かに、さっきの馬車が戻ってくる可能性があるかもしれないから、急いで調べたほうがいい。あの馬車は向こうに何かがあったから、帝国から来ていたのは間違いはないと思う。
『っと、邪魔が入ったか』
「猿の魔物、イビルモンキーです。眼が紅くて腕が4本あるのが特徴です!!」
アルエルは図書館で得た知識を照り合わせ、イビルモンキーだと判断する。一体だけなら危険度Eだが、群れだとDまで高くなる。
アルエルが周りの音を聞くには、6体はいるらしい。
『さて、レベルアップのための餌になって貰おうじゃないか』
「3体ずつやりますか?」
まず、1体目が木からホタルに向かって跳んでくるが、疾風で頭を包み込んでやる。イビルモンキーは悲鳴を上げながら、落ちていく。
『こいつらだけなら、俺だけで充分だ』
さっきのイビルモンキーが死に、疾風のレベルが上がった。最近はアルエルのレベル上げを手伝っていたので、これからは自分のレベルを上げておきたいと思っていた。
『猿ども、さっさと掛かってくるがいい!!』
念話で挑発をし、イビルモンキーは仲間がやられた怒りでホタルに襲いかかる。
この場は疾風によって、病苦が撒き散らされていくのだった…………




