46.アルエルの思い
本日二話目!
今回はアルエル視点となります!
私はアルエル・ゼリア。
私は魔物のホタル…………いえ、師匠であるホタル様のお陰で、世界が変わりました。
昨日までは、術式が勝手に壊れてしまって魔法が発動しなかったり、暴走したりしていました。だが、今は違う。
ホタル様のスキル、鑑定の上位版である解析で自分の悩みを解決して頂きました。まさか、『昇華』が魔法の威力を3倍にする代わりに、MPが3倍も消費するスキルだったとは思いませんでした。そのせいで、術式が勝手に壊れた原因でした。
ホタル様はすぐに原因を見つけ、私のために自分よりも危険度が高い魔物を私がトドメを刺せれるぐらいまで弱らせて、レベル上げるを手伝って下さった。
皆から嫌われて、疎ましく思われた、この私のために頑張ってくれた。それがとても嬉しかった。恋心に近い感情が生まれる程に。
相手は、魔物で更に身体は機械の犬なのに。
それはそれとして、ある程度のレベルが上がり、新しいスキルも手に入れた頃にホタル様は言いました。
『明日は街に帰って、俺に『覚悟』を見せろ。見せた暁に、着いてくるのを許そう』
覚悟。詳細を話さなかったことから、自分で考えて答えを出して見せろとおっしゃっているのだ。
一晩、考えました。暫くといえ、ホタルから離れて街へ降りていくのは凄く怖い。
その街には、私の敵しかいないのだから。味方はホタル様だけ…………でも、ホタル様は覚悟を見せろと。
………………
…………
……
朝になり、私はアルカド山から街へ降ります。ホタル様はアルカド山から見ていると。私のために、『望遠』のスキルを取ったとか。
なら、恥ずかしい姿を見せるにはいかないと思った。
街へ向かい、先に門番がいる場所へ向かう。そこで身分証を見せなければ中に入ることはできません。
服がボロボロで、探索対象であったアルエルが帰ってきたことに驚く門番の人だったが、身分証が本物で中に入れて貰えた。
学園にいる担任である教師に会うようにと言われましたが、私は行きませんでした。私一人だけだったから、無理矢理に学園まで連れて行かれることもなく、学園領の中心にある教会前へ向かっていた。
「私が見せれる、覚悟とは…………」
アルエルは思い出していた。此処まで来る途中、此方を見る人々の視線。それらに負の感情が込められているのがわかった。
全てが嫌悪に近しい感情。自分は嫌われているのはわかっていた。今まではそうだったといえ、慣れることはなかった。
自分は悪くないのに、なんでその視線を向けられるのか?
さっきまでのアルエルはその視線が怖かった。その視線がない場所に逃げたいぐらいだった。
だが、今のアルエルは少し違っていた。私を助けて貰い、口は悪かったけど優しくしてくれた方。
ホタル様がいる。ホタル様と一緒にいるだけで、ホッとする。
あははっ、人間が怖くて、魔物が恋しいと思うのは、自分がおかしいと思う。だけど、アルエルはそれでいいと思った。
だって、私はこれからすることが…………人間と敵対なのだから。
私が考えた、ホタル様に見せる覚悟とは、『人間との決別』だ。
世界中の人間が敵になろうとも、アルエルはホタルの隣にいることを選ぶのだった。
私はずっとホタル様の隣にいたい。側にいるのを許して欲しい。
恋するのを許して欲しい。
そう願いながら、アルエルは魔法を発動した。
火魔法Lv4の『火炎華』を。
アルエルの魔法スキルは上がりやすかったようで、火魔法はLv4まで上がったのだ。
華のように全方向へ炎が広がっていく。その炎は学園で一番高い教会を燃え上がらせ、熱で鉄だって溶かして見せる。
「はは、ははっ…………、消えちゃえ。私を貶める人間なんか、消えちゃえぇぇぇぇぇぇ!!」
教会だけではなく、周りにあった校舎までも火が回り続けて、校舎を焼き、更に中にいた生徒達を焼いていく。
「まだまだ!! ”火炎獅子”!!」
今度は火魔法Lv3で使えるようになる魔法。本来なら、犬と変わらない大きさだが、アルエルのは獅子の本来の大きさと変わらないのが現れる。
それが三体もだ。その”火炎獅子”はそれぞれが違う方向へ散り、”火炎華”で生き残った者へ襲いかかる。
そこまでやれば、誰かが攻めてきたのがわかるだろう。教師や警備隊が犯人を探している。
そして、二人の教師に見つかってしまう。
「っ!? アルエル!?」
「生きていたと連絡があったが…………何をしている?」
現れたのは、ホタルと目が合ったと言っていたエルディムと少女みたいな教師のジュリエ。
「決まっているでしょ。私の敵は殺す。皆は焼け死ねばいいの」
「君!? 魔法は使えないのじゃなかったのか……?」
「あの方が私の悩みを解決させて下さったわ。守ってくれず、役に立たなかった教師なんか、死んじゃえばいいの!! 私にはあの方だけいればいい!!」
三倍に大きくなった”火球”が二人を襲う。
「ちっ、何故か魔法を使えるようになっているみたいだが…………舐めるな! この私がその程度でやれると思うなよ!?」
ジュリエは自分の剣を抜き、その火球を切り裂いていた。
「お前は間違った。せっかく強い魔法を使えるようになったのに、此方に牙をむこうとするのは」
「私は出来れば、穏便に終わらせたい。だから、投降してくれ」
エルディムは戦いを望まなかった。言葉だけで投降して、穏便に終わらせたかった。もし、投降してもアルエルは姉の件もあり、死罪の可能性が高いが…………
「やだ。私は人間と敵対すると決めたの。だから、投降するのはあり得ない!!」
「仕方がない。なら、さっさと終わらせてやる!」
アルエルは次の魔法を使おうとした。だがーーーー
「え?」
「もう終わりだ」
いつの間に、ジュリエがアルエルの左胸に剣を突き刺していた。確実に心臓をやった。
「ジュリエ!? なんで、殺ーーーーッ、下がって!!」
「チッ!!」
エルディムの声に、ジュリエは剣を抜いて下がっていた。ジュリエの立っていた場所には、雷砲が当たっていた。
剣を抜かれた際に、倒れようとしていたアルエルだったが、誰かの背中に支えられるのだった。この場に現れたのは…………
『アルエル。助けに来たぞ』
心臓を貫かれた、アルエルはどうなるのか!?
続きは次回にて。




