42.街の近くへ
はい、続きです!!
『…………はい?』
ホタルは信じられないような表情だった。その表情にさせたのが…………
「帝国に戻りたくない」
だった。普通は戻りたいと言うのに、アルエルは戻りたくないと言ってきた。では、何故? と気になったが、アルエルから説明してくれた。
自分は帝国の歴代で見ないぐらいに大犯罪を起こした姉を持ち、帝国の人達から嫌われている。学園に通っているが、生徒達から虐めを受け、教師も助けて貰えない。一緒に住んでいる親族もいないように扱い、腫れ物に触るような存在だとしか思われていない。
さらに、勉強を頑張っても、魔法は術式が勝手に壊れてしまうため、いい成績を得られない。
今回も、パーティの人に囮にされて見捨てられた。だから、帝国に戻ってもいいことはないと。
「だから、料理番とかでいいから……、一緒に行きたい!!」
そう言う理由があり、戻りたくはないのはわかった。だが、ホタルと一緒にいても危険が増えるだけだ。
『成る程。一緒に行きたいのはオススメ出来ないがな』
「そんな!!」
『自分で言うことではないと思うが、俺は普通じゃない。魔物であることだけではなく、面白そうだと言う理由で危険に突っ込む癖がある。一緒に来たら、早死するぞ?』
「それでもいいから、一緒に行きたい!!」
なんで、一緒に行くことに拘るのか?
別に、ホタルと一緒にではなく、一人で他の国に行く選択もあるはずだ。だが、アルエルは自分と一緒へ行くことに拘っていた。
何故かわからんが、一緒に行きたいみたいだな?
ホタルにはわからなかったが、アルエルはホタルと一緒なのは嫌じゃないと感じていた。ホタルが魔物でちょっと口が悪いが、一緒にいるのは楽しいと少し感じていた。そんなことは両親がいなくなってから、初めてのことだった。
ホタルに自分のことを話しても、魔物だからなのか、興味を持った様子がなかったが、聞いてもホタルは変わらないまま話してくれた。それがアルエルにとっては嬉しかった。
『……とりあえず、帝国の近くまで行くぞ。俺が帝国を見てみたいのもあるからな』
「うん、わかった。けど、近付き過ぎないように、気を付けて」
一緒に行くか決めるのは後回しにして、街の近くまで一緒に向かう。
途中で ベアーズよりも弱い魔物に何回か出会ったが、ホタルの疾風で瞬殺していく。
しばらく歩くと、遠くに物体らしきの影が見えるようになった。
『む、何か見えてきたな?』
「あれは、私が通っている学園にある教会の鐘です」
まだ距離があるのに、教会の頂上にある鐘が見えてきた。鐘がこんなに高い場所に飾っている教会なんて、地球でも見たことがない。
目測でしかないが、150メートル以上の高さがあるのではないか。
さらに近付いて、山の頂上から見降ろす形になり…………
『……広すぎだろ』
「あれらは、教会を中心に全てが学園の物です」
『広過ぎだろ!?』
大切なことなので、二回も言いましたとも。学園の規模は、地球で言えばディズ◯ー◯ンドと同じぐらいはあった。確かに、それらの領地が学園の物だと言われたら、誰でも広過ぎると言うだろう。
『移動が大変だろ……』
「それは、転送機能があるのでそんなに困っていません」
『何それ、ファンタジーと言うか、SFみたいな』
「ファンタジー、SF?」
おっと、それは知らないのか?
地球では馴染み深い言葉でも、こっちには無いということもあるのか……。
『いや、不思議なって意味だ』
「へぇー、そんな言葉があったんだ」
眼に映っている領地だけで、学園の物だと言い、帝国はどんだけ広いのか想像出来なかった。
『…………、ここから離れるぞ』
「えっ?」
『いいから、言う通りにしといてくれ』
「は、はい」
ホタルが急に場所を変えようと言われ、アルエルは何があったのかわからなかった。当のホタルは学園がある場所を睨みながら歩いていた。
なんか、視線を感じる。前方の学園から?
いや、気のせいだと思いたいが、しばらく姿を隠した方がいいか?
なんとも言えない感覚を感じ、一度姿を隠すために、また森の中へ戻っていくのだった…………
また今日も忙しいですが、必ず一話は投稿出来るようにしたいと思います。早く書ければ、連続で投稿する予定です。




