41.情報収集
今日は忙しいので、この話だけになるかもしれません。もし、書く時間が出来たらもう一話は載せるかもしれませんが、ハッキリと言えないです。
すいませんが、宜しくお願いします。
では、続きをどうぞ!!
アルエルは調理が出来ていたようで、目の前には大きな葉っぱに乗せた熱厚のステーキがあった。美味しそうな匂いが辺りに広がる。
それを口に含むホタル…………
『ーーむ!? アルエルは駄目な娘じゃなかったのか!?』
「駄目な娘!? 会ったばかりでそんな事を言われたくはないよ!!」
『もぐもぐもぐもぐ……』
「念話でわざわざ食べている音を出さなくても……」
少ない香草を使って肉に切れ目を多く付けただけで、ベアーズの肉に着いた臭みを消して硬さも柔らかくて食べやすくしていた。
ホタルから見たら、アルエルは前の世界で言えば、日本人の中学生がドジっ子で旅人の役をしているような感じに見えた。だが、料理は失敗をせずに美味しい肉料理を作り出して見せた。
「素材が良かったから、美味しいと思いますよ」
『ん、人間も魔物を食うのか?』
「全ての魔物ではありませんが、食べられる魔物もいますよ」
『なるほどな。あ、虫の魔物は食べたことあるの?』
「えっ! む、虫の魔物ですか……、見るのも嫌なのに、食べるなんて……」
鳥肌が出ていて、腕をさすっていた。
あれは黒飴のように甘かったんだけど、姿から食べるのを敬遠してんのかな?
まぁ、どうしても教えたいわけでもないし、いいか。
虫の話は嫌らしく、別の話に切り替えることにした。まず、この世界はあの皇女が言っていた世界であるか? それを確認する。
『この世界は、アスラデウスで間違っていないよな?』
「あ、はい。世界はアスラデウスで間違っていませんよ。あと、ここを正確に言えば、ダーヴィン帝国領になりますね」
『ダーヴィン帝国領か。もしかして、他に国や領地があるのか?』
「幾つかの領地がありますが、人間や亜人の領地はルージュアル大陸の半分以下しかありません」
『待て、知らないが言葉が出たぞ。ルージュアル大陸とは?』
アルエルは、アスラデウスを知っていて、ルージュアル大陸を知らないなんて、知識が偏っているなーと思いつつ、説明してあげた。
話が長くなってしまったが、アスラデウスには二つの大陸があるという事がわかった。
今、自分達がいるのはルージュアル大陸で人間や亜人が住んでいて、幾つかの領地に分かれている。もう一つの大陸は、ルージュアル大陸と比べて小さくて、誰も踏み込んだこともない未踏地だと言う。二つの大陸を挟むのは、危険度S以上の魔物が住まう海域がある。
だから、人間や亜人では渡れないまま未踏地となっているのだ。噂では、魔王の領地になっているとかーーーー
『って、待てよ!? 魔王がいんのか、この世界は』
「え、この世界はって……、他に世界があるような言い方ですね?」
『聞いているのはこっちだ。で、魔王はいるのか?』
「は、はい。わかっているだけで三体は。もしかしたら、他にいるかもしれませんが……。このルージュアル大陸で半分以上の領地が魔王の物ですよ?」
『おいおい、魔王の強さはわからんが、人間が勝てる相手なのかよ?』
魔王と言えば、勇者と並ぶ伝説の存在でただの人間が勝てるとは思えない。だがーーーー
「私が知っていることでは、ダーヴィン帝国の第二皇女様が魔王の一体を倒したことがあると……」
『…………第二皇女様だと、まさかティリアとかの名前じゃないよな?』
「よく知っていますね。なんか、不思議なスキルで打ち倒したとかしかわかりませんが、第二皇女様は帝国歴代最強らしいですよ」
『そうか、そうか。あの皇女様がね…………』
まさか、魔王が何体もいる世界だと思わなかった。さらに、あの皇女様が魔王を倒す程の力を持っていること。
不思議なスキルと聞いて、継承スキルのことを思い出したが、すぐに判断は出来ない。
でも、帝国が自分達を召喚して、転生させたかったのは魔王との戦いに備えてのことだと予測出来る。
手に入れた情報により、元から持っていた情報と合わせて、わかることが増えていった。
ふむ、魔王がいるなら勇者もいるよな? いや、いるはずだ。
アルエルに聞いても、勇者はいるか知らないようだ。国が秘蔵でもしているのか気になったが、今に知る術はない。
今のホタルは魔物側であり、魔王がいるなら魔王へ会うことも考えてもいいかもしれない。
ただ、強くならなければ会えない可能性が高いから、とりあえず強くならなければならない。
何故、皇女様に会う同様にわざわざ危険な相手に自分から会いに行こうとするのか?
それは、ただ一つだけの理由。
退屈を紛らわせる。
今のところは初めての場面に退屈を感じてないが、さらに刺激を求めるようになっていた。
皇女様に会う、魔王に会う、継承スキルを探す。その目標を持ってこそ、これからが楽しくなりそうだと実感出来た。
だが、その前に…………
『おい、食べて休んだら、お前を街の近くまで送ってやろうか?』
そう、アルエルの存在だ。アルエルは街に帰りたいと思っているだろうと、その提案をした。
「えっ……」
だが、当のアルエルは悲しそうで嫌そうな顔を浮かべていたのだった…………
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