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30.逃走

本日一話目!

 



 ごめんなさい、許してくださーーーーうわぁぁぁぁぁ、きもぉぉぉぉぉーー!!




 拝啓、今のホタルは追われていた。十数体のベディゴキアと…………さらに一回りも大きい黒光り。

 そこには、ベディゴキアが進化したG。



 ーーーーーーーーーーーーーーーー


 キングスゴキア

 レベル13


 ーーーーーーーーーーーーーーーー



 HPもMPが全く見えねー!!

 完全に格上、それだけではなく、周りにベディゴキアの軍団。

 ここは逃げるに決まっているやろ!?

 うげっ、酸を吐き出しやがった!?


 キングスゴキアはベディゴキアよりも一段と大きくて、頭は一つに戻っていた。さらに、立派で長い触覚が電気を帯びていた。

 洞窟の道がGによって埋め尽くされていると言えば、今の状況を理解出来るだろう。




 どうやって、この状況を打開する!?

 戻れるなら、あの時のアホだった俺を殴ってやりたい。


 ホタルはポカをやらかしたため、キングスゴキアとベディゴキア軍団に追われる羽目になってしまった。

 あの時、道ではぐれたベディゴキアを見つけた時、ホタルは何も考えずに襲った…………いや、黒飴だー! と襲ったに違いない。

 そして、何時もの如くに先に気付いたベディゴキアは逃げた。それを追いかけるホタル。

 そこで、知能がない魔物が何故、すぐに逃げ出したのか考えるべきだったのだ。

 つまり、ホタルはーーーー




 誘い込まれたのだ。Gのボスであるキングスゴキアが命令を出して、ベディゴキアが囮になって、まんまと敵の陣営へ誘い込まれたわけ。

 ホタルはベディゴキアを追うことに夢中だったため、この先に待ち構えていることに危険察知が仕事をしていたのに、気付いてなかった。




 そして…………、今に至るわけだ。




 危なっ!!

 酸攻撃とか、やめろよ!?

 唾を吐いているようにしか見えねぇからよーーーーぎゃー、また来たぁぁぁぁぁ!!


 騒ぎながらも、ホタルは『純回路』を発動していて、ねた酸が掠っても、自動回復で回復してくれている。

 脚の速さは同じぐらいで、距離は余り縮んでいるようには感じられない。だが、ホタルが機械の犬であってもーーーー




 ヤバい! 煉気が少しずつ減っていやがる!?


 疲れると煉気も少しずつだが、減っているのだ。ホタルはSPが結構あったが、今は半分を切ろうとしている所だ。『疾風』に使いまくっていたから、半分ぐらいしか残っていないのは仕方がないが、0になってしまったらどうなるかわからない。

 もしかしたら、動けなくなるかもしれない。


 ……そうなったら、自慢の高い防御力があっても袋叩きで死ぬ。

 そうなる前に、打開をーーーーあ、あれは!?


 ホタルは何分か走っていた時、生き残る道を見つけたような表現に変わっていった。表情はあんまり変わってないが。




 階段だぁぁぁぁぁ!!




 三階層へ上がれる階段。階段は道と違って、狭い。人間が二人は通れるかどうかの狭さだ。


 ウォォォォォォォーーーー!!


 ホタルは酸の攻撃を避けつつ、直角のように曲がって階段へ飛び込む。


 こ、この狭さならキングスゴキアは入れまいーーーー




 ガチィィィン!!




 ベディゴキアは頭から階段に突っ込み、ホタルの一メートル先まで届いていた。



 ぎゃー! 危なっ!?

 うげっ、雷を撃つのか!!?

 俺は雷を使えるが、耐性がないんだよな!?


 だが、狭い場所では避けられる先が限られている………なら、迎撃だ。




 疾風!!




 今の最強技である疾風で迎撃する。雷と疾風がぶつかり合い、お互いが霧散して消え去る。


 よし、迎撃成功!

 今のうちにーーーー


 逃げようと思ったが、急にキングスゴキアがブシュッ!と全身が潰れた。




 …………えっ、と惚けてしまうホタルだったが、キングスゴキアが塞いでいた4階層からの空気に触れ、ヤバい気配がビンビンと感じるようになった。


 ヤバい!?

 ヤバいのはわかっているが、背を向けたら、アイツみたいに潰される!?


 脚が竦み、逃げたくても逃げられないような感覚を味わっていた。ホタルの目にはキングスゴキアが潰れて、大開きになった4階層への向こう側。




 シュォォォアォォォォォーー!!






 聞いたことがあるような鳴き声に、何かを引きずるような音。


 向こう側から覗いてくる肉片に顔が出来たような化け物。口には見えない口からシューシューと紫色の息が漏れ出る。

 階段を見るように覗いてくる化け物、もちろんホタルの姿も捉えている。だが、その身体が巨体のため、階段を通るのは不可能だ。


 だが、その代わりに冷たい息を吹き込まれ、ホタルは一気に3階層まで吹き飛ばされてしまう。階段を抜け出し、壁に当たるホタル。




 ぐぁっ、痛え!?

 ダメージは少しだが、さっきのは息を吹き出しただけで吹き飛ばされるとか…………


 今のうちに、階段から離れるホタル。冷たい息のお陰で階段は一気に飛ばすことが出来、巨体の身体ではあの化け物は3階層へ来れない。




 や、やった……、生き残ったぁぁぁ!!

 もうあんな化け物に会いたくねえ!




 ホタルは運良く生き残ることが出来て喜んでいた。だが、まだダンジョンを抜けたわけでもないし、3階層でも危険な魔物がいるかもしれないのだから…………









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