28.定番外し
本日四話目!!
ザ、外へ!
と勢いで扉を潜ったのはいいが…………
は?
外…………じゃねぇよな。
ここは見覚えがあるんだが、気のせいだよな?
そうだと言えよ!?
神のお言葉様よぉぉぉぉぉーーーー!
《最下層》
畜生!
(笑)を外して、様を付けてやったのに使えねぇ!!
神のお言葉(笑)からの位置特定放送では、ここは最下層のようだ。
後ろを見ると、黒い扉があった。ただ、奥は何もなくて行き止まりに変わっていたが。
定番を外すんじゃねぇよ!?
化け物がいる4階層を抜けないと、外へ行けないとか鬼畜仕様じゃね?
ホタルの言う通りに、階段を使って登って行くなら、化け物に見つからないように階段を探していかなければならない。
…………はぁ、仕方がない。
進むしかないみたいだな。
すぐ外へ行くの諦め、気長に進んでいくことにする。4階層には化け物もいるが、自分でも倒せる魔物もいるから、レベルアップを目指すのもいいだろう。魔法を取得するのに必要なポイントはいくつかわからないが、とりあえず500ぐらいを目指すことに。
えっと、階段は何処にあったっけ?
…………やべっ、迷子?
ホタルはさっきのことに衝撃が大きくて、歩いてきた道をすっかりと忘れてしまっていた。
これでは、迷子だと思われても仕方がない。
はぁっ、階段探しから始めるか。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
体感では、3時間ぐらいは経ったぐらいにようやく階段を見つけたホタル。
やっと見つけーーーーッ!?
悍ましい気配を感じ、階段の側にある岩陰に隠れていた。階段からはシューシューと音が鳴り響き、異常に細長い人間の手が何本か現れる。
な、なんだそれは……、手が一杯付いていやがる!?
前の化け物程に脅威がなかったからなのか、岩陰からそっと覗くことでその姿が見ることが出来た。
身体はダンゴムシのようで、それに人間の手を無理矢理と付けたような気持ち悪さがあった。正面には、赤い目が一つだけ輝いていて、ゾワッとさせる不気味さ。
あれはダメだ。この間の化け物程ではないが、全く勝ち目がない相手だとわかる。
なら、やり過ごす!!
ホタルは音を立てずに、岩陰に隠れる。さらに気配を薄くするのも忘れない。
シュゴー、シューシュー……
大量の手を持つ化け物は階段から降りても何もないと判断したのか、4階層へ戻っていった。
ホタルは何故、戻るんだよと思っていたが、あの化け物には【猛毒】と【病苦】を無効するスキルがないのだ。
耐性を持っていても、無効出来ていなければ最下層を出歩くにはオススメ出来ない程にヤバいのだ。
それをホタルは知らずに最下層を彷徨っていたのだ。無効系を持っていたから、無事だが。
ふぅー、行ったか。
しかし、あんな化け物が4階層に少なくとも二体はいるか……。
やべっ、ハードルが上がりやがったな。
さて、どうすっか…………。
しばらく考え、あの化け物が出たらすぐに隠れて、いないときに移動する形が一番だと判断した。
そして、ホタルは階段を登っていくーーーー
まだまだダンジョンの中を彷徨います。




