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110.足止め

お待たせました!!


あ、報告ですが…………『異世界から召喚される暗殺者の少年』が3回OVL大賞応募作で二次選考を突破しました!!

これからも応援を宜しくお願いします!!


では、続きをどうぞー!

 


 ホタルの『黒死槍』は、二つのスキルから発動されている。『黒死点』を『万象』で形のある物に変えており、作成してから当てるまでのロスがあった。

 そのロスが強敵であるキングスゴキアにとっては避ける時間を貰っているような物だ。先程の2回もそうだった。


 なら、どうすればいいか?

『黒死点』を素早く展開して、『万象』の発動を一瞬で終わらせないと当てられないだろう。だが、それをするには自分の技術にレベルではまだ無理だ。黒死点のレベルが高ければ、今のより展開かが早くなっていただろう。だが、この戦いで二つ三つのレベルを上げることは不可能と言ってもいいだろう。


 考えている途中でも、攻撃の手は緩めなかった。黒死点を波のように襲いかかろうとするが、触覚から放たれる電撃により、弾き飛ばされてしまう。やはり、霧状の黒死点では電撃に耐えるだけの耐性がないようで、キングスゴキアに届く前に消え去ってしまう。


「エルメス!」

「はーい!」


 エルメスがキングスゴキアの懐に入り、拳を打ち込む。その間も『黒死槍』を創り出して、キングスゴキアの死角から撃ち出す。それでも、『黒死槍』は避けられてしまう。


 当てれば、確実に勝てるのはわかるが…………、当てられなければ意味はないな。


 エルメスの攻撃は耐えられるから、あえて受けているが、ホタルの黒死点を使った攻撃には一時の油断もなく、確実に避けられるように動いているようだ。ホタルが考えている通りに当てることが出来れば、天秤はこっちに傾くだろう。

 そこまで考え、ホタルは脚を止めた。


「お兄ちゃーん?」

「エルメスは続けて、攻撃をしていろ。俺は少しだけ集中しなければならないから、近付かせるなよ」

「わかったー!」


 そう言って、エルメスは魔法を使い始めた。キングスゴキアをホタルの元に行かせないように動くなら、魔法が一番だと判断したようだ。その判断は正解で、キングスゴキアは脚を止めて電撃を放って相殺することに努めていた。

 エルメスの魔法は中級スキルに位置しており、下手に受けたら大ダメージを受けてしまうのは必然。キングスゴキアも本能で理解しているのか、魔法の相殺に集中していた。

 これなら、ホタルは邪魔されずに準備が出来ると両手に魔力を溜めていたらーーーー




 突如と、キングスゴキアの顔をこっちへ向けていた。




 キングスゴキアはホタルが何をしようとしているのかは理解してはいないが、本能がホタルを放っては駄目だと警鐘を鳴らしていた。




「ギゴァァぁぁぁぁぁぁぁーー!!」




「うきゃぁっ!?」


 電撃がさっきよりも強くなり、エルメスの魔法ごとエルメスを弾かれていた。さっきまでは本気を出してはいなかったのか、周りにいた獣人やベディゴキア達を巻き添えに、強力な電撃を周囲に放っていた。

 エルメスは不死身で、傷を負ってもすぐに再生するがーーーー


「し、しびびぃれぇる……」


 エルメスは痺れると言っているが、『麻痺』の状態異常を受けてはいない。エルメスには『状態異常無効』と言うスキルがあるから、『麻痺』になることはない。

 だが、今のエルメスは電撃の縄みたいな物に巻きつかれていて、動けていなかった。

 ホタルはそれを見て、『麻痺』に似た効果を持つ束縛系のスキルを使われたと判断した。束縛や封印みたいなスキルならエルメスに効く。


 暫くは動けないか……。


 足止めをする者がいなくなり、ホタルはどうするか考えていた。その考える時間も短いようで、キングスゴキアは周りの獣人やエルメスを無視して、こっちへ向かっていた。

 ホタルがやろうとしていることは、動きながらでは、集中出来ない。だが、このままではやられるので中断して動こうとしたがーーーー爆発音に動きかけた脚を止めることになる。




「ギュィィィーーーー!?」

「蟲如きが、ホタル様に近付くな!!」


 爆発音はアルエルの仕業で、真横から『煉爆』を喰らったキングスゴキアは衝撃と痛みに転がってしまう。


「お待たせてすいませんでした!!」

「良くやった! 30秒でいい、あの蟲を止めろ!!」

「イエッサー!」


 気絶から起き上がったアルエルは止めようとする獣人達を振り払って、真っ直ぐにホタルがいる場所へ向かっていた。蟲が跳び上がっただけで気絶をしたことに情けないと思いつつ、ホタル様に迷惑を掛けたくはないと、戦場の中を駆け付けて来たのだ。

 ホタルはアルエルに足止めを頼み、両手へ魔力を溜めていく。その魔力にキングスゴキアが起き上がって、邪魔をしようと動く。


「行かせないわ! ”地鎧兵”!」


 ホタルの前に壁が出来る。デカすぎて、キングスゴキアには兵の腹が壁にしか見えてなかった。


「ギィッ!」

「気持ち悪いけど、ホタル様に足止めを任されたのよ! 倒れてはいられないわ!!」


 邪魔をするなと、キングスゴキアがアルエルに鳴くが、キッ! と睨み返していた。あと25秒、格上であるキングスゴキアを相手に、アルエルは決死の思いで、ホタルの頼みを果たすために動くーーーー










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