108.本命
お待たせました。
最近、面白いゲームが出てきて夢中になっちゃうんだよなぁ。
でも、出来るだけ早く投稿出来るようにしたいと思いますー。
では、続きをどうぞっ!
マンディスアは何をしに来たんだろうと思ってしまうぐらいに、それらを瞬殺したメルエダ総隊長の実力が気にかかる。だが、今は戦闘………もとい、戦争中だ。それに、解析する前に、気にかかることが現れたのもある。
それは、…………ベディゴキアの数は減ってきているのだが、何故か前よりしぶとくなってきたのだ。
「なんだ? すぐに倒れなくなったな?」
ホタルの手加減した黒死点を当てても、すぐに倒れなかったのだ。しばらくしたら、動きを止めたが。
明らかに強くなっているのがわかる変化だったことに訝しむホタル。
メルエダ総隊長もベディゴキアの殲滅に加わったから、さらに数は減っているのに、急に強くなるのはおかしい。
何か起こったのかと思ったが、近くにいたダルグエアの言葉により、その疑問は解消された。
「ようやくお出ましか。前回と全く同じだな」
「あれは…………キングスゴキアとクイーンゴキアか?」
「あぁ、いつも彼奴らが現れたら、ベディゴキアは強くなっている。おそらく、キングスベディゴキアの『統制』とクイーンゴキアの『同族支配』が眷属のベディゴキアを強化しているだろうな」
成る程と思った。仲間や眷属を強化するスキルをあの2体が持っていたから、ベディゴキアがしぶとくなったのだ。おそらく、少しのステータス上昇と耐性レベルをアップさせているのだろう。
前に喰らったことがある酸の攻撃が来ないことから、アップさせる代わりに、ベディゴキアは支配されて突撃しか出来なくなっているようだが。
「軽いバーサーカーみたいな症状になるみたいだな。ステータスには【支配】が付いているし」
ホタルは堕印の翼と黒死点でベディゴキアを弱らせながら、現れたキングスゴキアとクイーンゴキアの姿を観察してみた。
キングスゴキアはダンジョンで出会った姿と同じで、立派な触角に電撃を帯びていた。ベディゴキアに囲まれて、そこに立っているだけでも王者の雰囲気を感じ取れた。
ーーーーだが、クイーンゴキアはそれ以上だった。
クイーンゴキアの姿を見たが、Gの姿ではなかった。Gの姿というより、女王蟻に似ていた。下半身に卵を溜め込んでいるような姿は、女王蟻のような姿であり、気持ち悪い姿であった。上半身はキングスゴキアと同じなのに、下半身だけが女王蟻というキメラっぷりにホタルが眉を顰めてしまうぐらいに。
「あんな姿だが、舐めない方がいいぜ。あれでも、さっきのマンディスアよりは強いぞ」
「なんだと?」
動きにくくそうな姿をしていて、ホタルが格上だと認めたマンディスアよりも強いと、ダルグエアがそう言っている。
黒死点を一薙してから、解析を使ってみたらーーーー
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キングスゴキア 【支配】
Lv49
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クイーンゴキア 【支配】
Lv54
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ん?
確かに、マンディスアよりも高いレベルを持っていた2体だったが、おかしな記述が見えたような気がした。
もう一回、解析を使ってみた。
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キングスゴキア 【支配】
Lv49
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クイーンゴキア 【支配】
Lv54
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うん、見間違いじゃないや。
何故か、あの2体も【支配】状態になっているな。もしかして、獣人達はそのことを知らない?
【支配】と言う状態異常は、誰かに操られているから出る物であり、支配する側に出ることはない。ということはーーーー
「ち、アレよりまだ上がいんのかよ」
「む、何を言っている? ーーッ、来るぞ!!」
ダルグエアの言葉に何事かと思えば、キングスゴキアとクイーンゴキアが同時に突撃してくるのが見えた。クイーンゴキアの身体は造形が良いとは言えず、動きは悪くなると思えばーーーー
「ぅキャァっ!! 飛ぶの!?」
「うげっ、あれはキモい上昇飛び!!」
ホタルが言うキモい上昇飛びとは、普通のGが良くやる飛び方で、短い距離しか飛べず、人間らを驚かしてキモがらせる飛び方である。それが、人間よりも巨大でキモい身体をしたキメラな何かが凄いスピードでこっちへ突撃するように飛んで来るのだ。
まさに、Gの必殺技と言える技が来ようとしていた…………すぐに落ちるように降りてきたが。
「なんだよ、虚仮威しか……」
もし、ここまで離れた場所まで来たならホタルであっても驚愕していたかもしれなかったが、勢いがあった割に届かなかったことで呆れの溜息が出ていた。だがーーーー
「ひぇっ、キュゥッーーーー………………」
「アルエル!?」
虚仮威しだったといえ、元からGが大苦手であるアルエルには効果が抜群だったようで、気絶をしてしまった。
「え、エルメス! 急ぎでアルエルを後方まで下がらせろ!」
「えーー……、情けないなぁーー」
まだ戦いたいエルメスだったが、渋々と気絶したアルエルを引きずって後方へ向かったのだった。
「くっ、まさか、こんな手で主力の1人を下がらせるとは流石、危険度Aランクと言うべきか!?」
「いやいや、クイーンゴキアは飛んだだけで何もしてねぇよ」
流石だと言い、拳を握るホタルへ冷静なツッコミを入れるダルグエアであった。その様子を観察する者がいた。
「面白いなぁ。あの子は」
その者は全体の戦場を見渡しながら、ホタル達の動向に笑うのだった。




