107.Gではない者が!!
お待たせました!
続きをどうぞー。
紫色の翼と黒い病苦を敵へ撒き散らして弱らせたり、たまに病苦で死ぬベディゴキアもいた。数はまだまだ無限に湧いているように、奥からワラワラとベディゴキアが現れる。
吸収能力を持っているホタルはまだまだ余裕を持って、敵を打ち倒していく。全ては順調だった。そう、順調だったがーーーー
ホタルは嫌な予感をビシビシと感じ始めていた。前にベディゴキアと初めて会った時に感じたような感覚。
もしかして、キングスゴキアやクイーンゴキアが近くに現れたのかと思っていたがーーーー
「なんだありゃ、カマキリ?」
「1体だけではありません! 3体も姿が見えます!!」
アルエルの言う通り、ベディゴキアとは別の魔物が3体もベディゴキア軍団の後ろから現れたのだ。3体ともカマキリの魔物で、1体だけ身体が小さかったが、姿はとても似ていた。嫌な予感とは、こいつらなのかと思い、解析を向けてみた。
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マンディスア
Lv41
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マンディスア
Lv38
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リトルマンディスア
Lv27
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なんだこいつらッ!?
リトルの奴も名前とレベルしか見えないとか、3体ともエレタルアと同等かそれ以上じゃないか!!
ホタルがそう叫びたくなったが、近くにいた指揮者が絶句して、漏らしていた言葉が耳に入った。
「あ、あぁ……、危険度Aのマンディスアと危険度Bのリトルマンディスアだと!? 何故、ここにいるんだ!?」
危険度Aランク。2体の魔物がAランクと言う強さを持っていて、マンディスアの子供だと思われるリトルマンディスアがベディゴキアを襲うこともなく、こっちへ来ようとしていた。
ホタル達の実力なら、3人で戦えばリトルマンディスアぐらいならなんとか勝てるかもしれないが、氷のダンジョンにいたエレタルアよりも高いレベルを持ったマンディスアの化け物には勝てない。
ホタルの警鐘が鳴りまくっているのが、いい証拠だ。
「あれは…………、まぁ、大丈夫だろう」
「は? お前なら勝てると言いたいのか?」
なんと、ダルグエアは予定外の強者が現れても動じなかった。それどころか、余裕が感じられた。
ホタルは戦いの途中だが、ダルグエアの側に寄り、質問を投げかけていた。
「俺なら、1人ではリトルマンディスアを倒せる。だが、マンディスアは重傷を覚悟しなければならない相手だな」
「駄目じゃないか」
マンディスアは2体もいる。1体だけの相手でもキツイと言っているのに、リトルマンディスアと2体のマンディスアを同時に戦えるわけがない。ホタルが呆れていたとこに、ダルグエアはニヤッと笑みを浮かべていた。
「俺が戦うと、誰が言った?」
ダルグエアがそう言った瞬間に、リトルマンディスアが一瞬で細切れになって絶命した。
「……は?」
「やるぅー。流石、メルエダ隊長だな」
「メルエダ隊長? 確か……」
メルエダ隊長と言えば、ダルグエアの上司でもある警備隊の中で1番の強さを持った黒豹の獣人である。
先程は、ホタルには早すぎて見えなかった斬撃を喰らわしていただけだ。
「マンディスアは私がやる。お前達は引き続き、ベディゴキアをやれ!!」
「「「うおぉぉぉーーーー!!」」」
メルエダ隊長はリトルマンディスアを瞬殺することで、皆の士気を上げた。2体のマンディスアはメルエダ隊長がやるようで、他の獣人達はマンディスアを無視して、ベディゴキア軍団へ攻撃を加えていた。
「ほぅ、結構やるじゃないか」
「当たり前だ。あれぐらいじゃないと、総隊長になれねぇよ。……まぁ、タイガルド様はメルエダ隊長の比ではないぐらいに強いがな」
なに? 白虎のタイガルドという奴は、あれよりも比べにもならないぐらいに強いと?
…………世の中はまだ広いな。
エルフの親衛隊だった者は、思ったより実力は離れてないように見えたから、この世界の基準はもう少し低く見積もっていたが…………、目の前の戦いを見て、チョコレートのように甘く見ていたようだ。
「…………ホタル様、お気にならずに。貴方はまだ生まれたばかりでら日は浅いのではありませんか。慌てずとも、このまま成長を続ければーーーー」
「言われなくてもわかっている。今はまだ慌てる時ではない」
「勝手な言い分をすいませんでした」
アルエルはホタルの表情を見て、すぐに謝っていた。表情はとても落ち着いていた。眼には燃え盛る炎が灯っていたが、それと同時に冷静な思考を行っているのを読み取れたからだ。
「面白い、俺はまだまだ強くなれる。アルエル、エルメス! さっさとベディゴキア軍団を片付けて、キングとクイーンの姿を拝めてやろうじゃないか!!」
「イエッサー!!」
「はーい!」
ホタル達が気合を入れて、ベディゴキア軍団を相手にしようとする中、メルエダ隊長は数分で2体もいたマンディスアを倒していた。
本当に、マンディスアは何をしに来たんだろうとホタルは思うのだった…………




