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102.更に波乱!?

はい、お待たせました!

続きをどうぞー。

 


 豚は気絶しているし、このまま放って何をするか。というか、遅すぎるな…………。


 ホタルは何かを待っていた。戦いの途中に現れると思っていたが、そんな気配はなかった。

 まさか、ここまで事を大きくしても気付かないとかありえんだろと思っていた先にーーーー




「ーーーー何が起こっている!?」




 あ、やっと来たか。

 目的の人物とは違うが、目的は達成出来そうだな。

 ねぇ、警備員さん?


 ホタルが待っていたのは、ダルグエアが所属している警備隊だ。ダルグエアに会うなら、警備隊がいる場所へ向かえばいいが、ホタル達はそんな場所が何処にあるかわからないので、そっちから来て貰ったわけだ。

 こっちに気付いた警備隊の皆は目を見開いて、驚愕していた。


 ここに人間にしか見えないホタルと、泡を吹いている最高権力者の豚。何があったのかは、だいたいは予想出来てしまうのだろう。

 到着した隊の隊長である猫の獣人が眉を上げて、ギロリとホタルを睨む。


「貴様!! 人間がどうしてここにいる!? それに、最高権力者の1人であるイグル様になんてのことを!!」

「イグル? あぁ、そっちで伸びているオークのことか。それはどうでもいいとして、聞きたいことがあるのだが…………」

「貴様! 皆、構えろ!!」

「あれ?」


 話をしたかっただけなのに、警備隊はホタルに武器を向けて構えていた。どうしてこうなるのだろ? と思っていたら、近付いてきたアルエルからツッコミが入った。


「そりゃぁ……、オークが馬鹿な頭を持っていようが、最高権力者なんですからね。それに害をした自分達がどうなるかわかるでしょうのに」

「え、あの豚がそれ程に偉かったのか? 見えねー」


 ホタルはイグルという豚の獣人がここの領地を統治する4人の内、1人であることを知らない。ただの偉そうな下級貴族とかだと思っていた。


「イグル様を豚とかオークとほざいて、ただで済むと思うな!」

「はぁ? 狡いことをして、屋台を潰そうとしていた豚が最高権力者? そんな奴はオークと呼ばれても仕方がないだろ? 見た目もカリスマみたいな気迫も感じねぇし」

「…………多少の怪我は仕方がない。確保しろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


 少数は豚と馬を引き上げ、他は殺気を剥き出しにホタルとアルエルを囲む。ホタルは面倒そうにしながら、未だに観客の中に混ざっていたエルメスへ命令をする。




「殺る気があるなら、そっちが怪我をしても知らねえぞ? エルメス、やれ!」

「はーい!」

「まだ仲間がいたのか!?」


 エルメスが使った魔法は、旋風魔法のレベル3である『刃風竜巻』で、ホタルを中心に竜巻が現れて、周りを鎌鼬で切り裂いていく。


「ぐっ、エルフか!? 風の精霊剣を使える物は、竜巻を相殺して、道を作れ!! エルフは俺が行くから、任せたぞ!」

「ほうほう、また精霊剣か。人間やエルフが使った所は見たことがないな。魔人も使えるのか? いや、もしかしたら獣人にしか使えないとか?」


 ホタルは獣人達が使う精霊剣に興味を持っていた。見たところ、1人に1つの能力が付加されているように見える。1つの能力しか発動出来ないのか、剣も1本しか発現出来ないのか?

 気になることがあるが、判断材料がまだ少ないので、わからないことだらけだ。

 隊長の男は、先にエルメスを排除しようと動いているみたいだが、今のエルメスへ1人だけで突っ込むには力が足りないように思えた。


 想像していた通りに、エルメスは煉闘気を発動していて、スピードも負けていなかった。それどころか、手数はエルメスの方が多くて、押していた。


「なんという才能を持っていやがる!?」

「拳だけじゃないよ~」


 エルメスは接近戦をしながら、旋風魔法の『大鎌鼬』を撃ちまくっていた。猫の獣人である男は、舌打ちをしつつも身軽な身体を生かして、なんとか避けていた。

 さすが、隊を預かる隊長と言うべきかとホタルは感心していた。至近距離からの大鎌鼬はそうそうと避けられないが、猫の獣人は擦り傷を作りながらも、致命所を受けないように避けていた。


「うーん、エルメスだけじゃ、時間がかかりそうだな。それに、そろそろだな」


 ホタルは自分を守っている竜巻を見ていた。そこには、竜巻とは逆に回る風を操る獣人が見えた。逆回転をぶつける事で、相殺しようとしていた。生半可な威力じゃ、反対に破れてしまうが、獣人は風を操れる者が3人で組んで、逆回転をする風を強めていた。


「んー、こっちは9人か。アルエルだけじゃ、キツイか?」

「いえ、ここは私1人でやらせてください」


 アルエルは1人でやらせて欲しいと言っており、戦力を分析してみるが、精霊剣と言う戦力がどれだけあるか読めないでいた。バドムとの戦いも全力で発揮される前に倒したから、全貌を知ることもなかった。

 だが、ホタルはあえてやらせてみると決めた。


「そうだな、任せてみるよ。やられるなよ?」

「イエッサー!」


 久しぶりに聞いた返事だ。それだけに自信はあるようだ。話をしている間に、エルメスが張った『刃風竜巻』が相殺され、2人へ向かって様々な属性の攻撃が放たれた。

 アルエルはキッ、とそれらを睨んで魔法を発動した。アルエルがやられたことがあり、ホタルと互角に戦ったあの男と同じ魔法を。




「”地鎧兵”!」




 地面から鎧を着た土の兵が現れた。そう、ドゥムと言う槍使いの老人が使っていた魔法。その魔法よりも3倍は大きく、放たれた全ての攻撃を受けていた。


「デカい!?」


 警備隊の誰かがそう漏らした。ドゥムの時は、人より一回りと大きい程度だったが、アルエルは『昇華』で強化されているので、人の6倍ぐらいはあった。

 大きさだけではなく、質も上がっているので、全ての攻撃を受けても崩れずに残っていた。壊せなかったことに驚愕しつつ、後ろに隠れてしまった2人を攻撃しようと動かない地鎧兵を回り込む。だが、その選択は悪手であった。


「”地槍撃”」


 地面から地槍が生える魔法だが、今回は地面からではなくーーーー




 地鎧兵からハリネズミみたいに、全身かや槍が生えた。




 横のすぐそこを通っていた獣人達はそれに巻き込まれていた。槍の先は尖っていなかったので刺さった者はいないが、予測不能の場所から攻撃されて骨を折られて殴り飛ばされた者が多数だった。僅かに無事だった者は、地鎧兵から距離を取っていた。


「っ! 精霊ーーーー」

「遅いです」


 アルエルは既に次の魔法を発動していた。今度は風魔法で、身動きを封じていた。

 立っている獣人は3人で、その全員は風魔法の『風縛鞭』で空気の鞭によって身動きを封じられ…………




「うわぁぁぁぁぁーーがぁっ!?」




 アルエルは風魔法の力を借り、引っ張って高いところまで飛ばして地面へ叩きつけた。叩きつけられた者は鍛えていたからなのか、何本かの骨が折れて気絶しただけで済んだようだ。

 これで、警備隊で立っている者は隊長の男だけーーーー




「くっ、畜生が!」

「私の勝ち~」




 エルメスの方へ眼を向けてみると、隊長は脚を折られて平伏せている所に、エルメスはそれに乗っかかってホタルから貰った銀製の短剣を首へ添えているのが見えた。


 これで、ホタル達は一人残らず警備隊を無効化し終わるのだった…………







連絡ですが、11、12月は忙しくなるので、週に2、3回しか投稿出来ないかもしれませんが、よろしくお願いします。

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